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チートトーナメント  作者: 掘削名人
第1章 はじまり
4/22

ルール

 結局、これ以上の説明はされることなく、半ば強制的に解散となってしまった。32人の男達は、しぶしぶ割り当てられた部屋に入るしかなかった。


「結構、豪華な部屋だな。」


 部屋に入るなり、ルートは、部屋の豪華さに驚いていた。一人で住むには、大きすぎる。部屋内に設置してある家具も、豪華な物ばかりだ。退屈しないように、大きな本棚に、びっしりと大量の本が並んでいる。

 そして、食料とかかれた張り紙がついている扉を開けると、冷気が出てきて、中には新鮮な食料がならんでいた。そう、これは、冷蔵庫である。他にも、60インチサイズのモニターが壁にかけてある。2023年の日本では、そこまで珍しくない部屋の設備だが、ルートからすれば、とても考えられないような物ばかりだ。


「始めてみるようなものばかりだ。やはり、あの天使が言っていたことは、真実なのだろう。ならば、32人の中で最強を決める戦いに参加しなければならない、ということなのか。」


 自分のいた世界では考えられないような物を見て、ルートは天使ガブリエルのいうことを信じるしかなかった、とともに、32人の中での戦いを迎えることを覚悟するしかなかった。



------------



「はーい。皆さま、お待たせしました!」


 急に、モニターの画面が作動するとともに、そこには、先程の天使ガブリエルの姿があった。モニター画面というものを始めてみるルートは驚いた。まるで、そこに天使ガブリエルがいるかのごとく、モニターに映っているガブリエル。そんな衝撃的な情景を見たあとでは、ガブリエルの説明が頭に入っていくはずがない。それを承知のガブリエルは、モニターを通して、部屋の設備の説明を始めた。

 暫くガブリエルの説明を聞いているうちに、ルートは、気持ちも落ち着き、ガブリエルの説明も頭に入るようになってきていた。


「さあ、みんな。気持ちは落ち着いたかな?それでは、これから行う、最強決定戦の説明を始めるよ!

 

 これから、皆には、誰が最強か決める為に戦ってもらう訳なんだけど、一番簡単な方法は、32人全員でのバトルロイヤルがいいかなって、神様達は考えていたんだ。でも、それだと、上手いこと逃げるだけで、勝ち残ってしまう可能性があるから、バトルロイヤルは良くないね、ということになったんだ。

 それで、一対一の対戦で勝ち抜いていくことが王道、つまりは、トーナメントをやろうねって、事になったんだ。でも、トーナメントにも、少し問題があるの。

 いわゆる、トーナメントでの強さの偏りがあると、比較的強くない人が勝ち進んでいっちゃう可能性があるんだよね。でも、勝ち抜きというルールは絶対にやりたい。勝ち抜きということは、トーナメント方式にせざるをえないの。だから、その偏りを少しでもなくすために、32人の皆を、最初は、8つのグループに分けようと思うの。そうすると、1グルーブ4人ずつに別れるよね。その4人で、総当たりのリーグ戦をして、上位2名がトーナメントに進出できる、ということなんだ。

 どう?これだと、まぐれ勝ち上がりも可能性が低くなるよね!凄くいいアイデアだよね。どう、皆。いいアイデアだよね!どう?」


 ルート達は、これから戦い控えているの為、ピリピリと緊張感がある状態なのだが、天使ガブリエルの軽い態度が非常に不釣り合いだった。だが、ガブリエルの説明事態は細かく分かりやすい。ガブリエルの説明は続く。


「じゃあ、形式が決まったところで、肝心の対戦方法について説明するね。対戦は、当然一対一。武器、特技、魔法、スキル等については、一切の制限をつけないから、みんな、おもいっきり戦ってね。それで、皆が一番気になっているのは、決着、勝敗の基準だよね。

 勝敗の基準は、いろいろあるけど、基本的には、戦闘不能になったら敗けだよ。どうしても勝てないと思ったら、ギブアップしてもいいよ。あと、ここからが大事なところだから、しっかりと聞いてね。対戦は、DEAD OR ALIVE。つまり、決着は生死を問いませんよー。

 どう、ビックリした?ここは、人間界じゃないから、命は大事だからとか、道徳的にどうなの、とか、そういったことは、一切気にしなくていいよ。だから、全力で戦ってくれればいいからね。

 でもね。それだと、問題が出てくるんだ。例えば、総当たり戦でいっぱい死人が出ちゃったら、トーナメントの人数が16人より少なくなっちゃうよね。もし、そうなったら、生き残っている人達で、敗者復活戦を行いまーす。だから、総当たり戦で上位二人になれなくても、まだ希望はあるからね。だから、最後まで諦めないでね。

 じゃあ、最後に、一つだけ、ルールを設けまーす。それは、ギブアップした選手には、その試合では、それ以上の攻撃はしないこと。これだけは絶対に守ってね。ギブアップした時点で、即試合終了だよ。

 これで、対戦の説明は終わりでーす。続いて、対戦する場所の説明をするよ。みんな、窓の方を見てごらん。」


 ガブリエルの指示に従い、ルートは、窓の方へ近付き、窓から外の様子を見た。すると、大きな闘技場が見えた。ルートの部屋からは、闘技場を見下ろす角度になっている。闘技場全体を見渡すと、ルートの部屋と同じ高さに、ぐるっと一周するように、窓が連なって並んでいる、おそらく、あの窓全てがルートと同じ状況の者達の部屋になっているだろう。窓の下を見ると、それぞれ扉が設置されている。ということは、自分の部屋から、直接闘技場に行けるような造りになっている。そう考えたルートは、部屋内を調べた。すると、下の階に降りる階段を見つけることができた。ここから闘技場に繋がっているはず。これで、今、自分がいる部屋の構造を大体が理解することができた。


「はーい。みんな。見えたかな。そうだよ。みんなは、この闘技場で戦ってもらうんだ。だから、みんな。自分以外がどういう能力を持っているのか知ること。それも、今回は、非常に重要になってくるからね。これから戦うかもしれない相手に能力を知られる、ということを避けるためにどう戦うのか。そういった戦略も、この戦いの醍醐味なんだ。

 闘技場は一つだけだから、一度戦ったら、次の戦いまでの時間は十分にあるから、みんな、しっかりと休んでね。冷蔵庫には、回復アイテムもたくさんあるから、遠慮なく使ってね。どれだけ使っても、一度冷蔵庫の扉を閉めれば、自動的に補充されるようになってるから、遠慮しないでね。

 さあ、お待ちかね。リーグの組み合わせ抽選を始めるよー。」


 ガブリエルは、そう言って、巨大なガラガラ抽選機を使いだした。陽気なテンションでハンドルを回し、出てきたボールに書いてある名前を見ると、壁にある番号に名前を書いていく。すべての項目が埋まったところで、ガブリエルは、画面ご主人小さくお辞儀をした。


「みんな、お待たせしましたね。これで、抽選は終わったよ。みんな、どのリーグに入ったか、対戦相手は誰なのか、ちゃんと把握してね。

 あ、今、覚えなくても大丈夫だよ。この組み合わせは、今から紙に印刷して、みんなの所に送るからね。ちょうど、モニターの下から紙が出てくるから。それを使ってね。

 それじゃあ、対戦の時間になったら、放送でお知らせするから、それまでは、ゆっくりしててね。バイバーイ。」


 ガブリエルの最後の挨拶が終わると、モニターは消え、モニターの下から、リーグの組み合わせが印刷されている紙が出てきた。ルートは、すぐにその紙を手に取り、自分の名前と対戦予定者の名前の確認をした。


リーグ1

 ルート  出身世界フィスト

 オート  出身世界ファイル

 バルト  出身世界ワーク

 クロス  出身世界イーレ

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