表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

学校に帰ろう!

<このサングラスを装着するだけで、リアルな世界に行ける!>

アニメ世界だけだと思っていたものが、いま、目の前に。


僕は、もちろんそれを購入した。初実装なのに、手ごろな価格。

仕事から帰り、夕食後、僕はそれをさっそく装着した。

目を閉じると、僕は、深い眠りに陥っていた。


ポーン!<設定を、お願いします>

機械音声で目が覚めた、僕。

いつの間に眠ったんだろう?

<どの世界を、選びますか?>

ファンタジーの代表な魔法世界もあれば、リアルな他の星というのもあり、また現実世界の海外諸国や、国内の有名な観光地というのもあった。

どこを選んでも、リアル感いっぱいの世界を体験できるのである。


ふと僕は

<スクールライフ。あの青春の甘酸っぱいときを、もう一度過ごしてみませんか?>

というのを見つけた。

僕は、中学生のときをふと思い出した。

好きな女子が、いた。中学3年間、ずっと好きだった。しかし、声をかけるどころか、視線を送ることもできなかった。思春期だったからだ。

今なら、どうだろう?

十数年の社会人生活、会社勤めで、異性との会話は日常化している。非モテなのは相変わらずだが、今だったら、あの時のような失敗はしないだろうと思う。


「これを、やろう」

選んだ。

<校種選択:幼稚園、小学校、中学校、高校、大学>

中学校を選んだ。

<1つだけ、能力を持てます。選んでください>

「能力?なんじゃ、それ」

リアルな中学校スクールライフと思っていたら、異能アリかい?

見ると、4つの選択肢があった。


1:視線能力(相手が、振り返る)

2:魅了能力(相手が、視線を向けてくる)

3:会話能力(相手が、話しかけてくる)

4:接触能力(相手が、触れてくる)


これは、悩むなあ。

4は、ちょっと引く。突然触れられるなんて、ちょっと気持ち悪い。

普通なら、3かなあ?でも、それじゃときめきも何もなく、ただの日常生活じゃん。

2もいいけど、ちょっと不気味かなあ?全員にじろじろ見られるのは、ちょっと…。

ということで、僕は1を選んだ。

さっそく、スタート!


このとき、僕は、うっかりミスをした。

そのスタートタッチのすぐ脇に

<プレイをする前に、必ず読んでください>

という項目があったのを、僕は、完全に無視したのだ。

後から思えば、それは非常に重大なミスだった。

なぜなら、その説明内容は、この<ゲームの攻略のしかた>だったのである。

そう、僕は、このヴァーチャル世界が、<ゲーム>、しかも罰金ゲーム(攻略できなかったら、罰金を取られリアルマネーで支払わなければならない)であることに気づいていなかった。

その<攻略のしかた>を読めば、罰金は100%免れることができる…。


その<攻略のしかた>の内容は、ごくシンプルで、次の通りである。

1:異性と挨拶を交わしたら、ゲームクリヤ。

2:その挨拶言葉は、「おはよう」「こんにちわ」「さようなら」と、その類語。


そして、もう1つ重大なこと。

その<攻略のしかた>を読めるのは、初プレイの前だけであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ