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(^ω^)【ようです】のようです

(^ω^)【温泉旅館】のようです

作者: 日曜日夕



   ('A`)「くっそ。急な出張で来てみれば、なんてこと無いじゃないか。

   

       まぁいいや。旅館で一泊して帰るか。

   

       あ、すいません。予約して無いんですけど。

   

       お部屋って空いてますか?」



 (^ω^)「どうもお越し下さいました。

   

 江戸から続く老舗、どぶろく温泉郷なごみ旅館『ずんちゃか』

 

 をお選び頂き、誠にありがとうございます」



   ('A`)「ずんちゃか」



 (^ω^)「お客様はお一人のご宿泊で?」



   ('A`)「あ、はい」



 (^ω^)「朝食はどうなされますか?

  

       当館、朝食は地産食材を活かしたバイキングとなっております」



   ('A`)「あぁ、そうですね。何時からですか?」



 (^ω^)「はい。当館7時からとなっております」



   ('A`)「じゃ、朝食も付けてください」



 (^ω^)「ご承知いたしました。そちらですと……

 

      ああ、山側のお部屋ですが、よろしかったでしょうか」



   ('A`)「大丈夫ですよ。もう夜になっちゃいましたし」



 (^ω^)「それでしたら3部屋ご用意できますが、


       全てギミック付きとなっております」



   ('A`)「ギミック」



 (^ω^)「はい。1つ目の部屋は床がトランポリンとなっております」



   ('A`)「真面目になんでだよ」



 (^ω^)「こちら、運動不足の解消が期待できます」



   ('A`)「期待されても困るだろトランポリンも。こんなことで」



 (^ω^)「続きまして2つ目の部屋ではWi-Fiの電波が可視化されます」



   ('A`)「どういう技術だよ。それになんのメリットがあるんだよ」



 (^ω^)「こちら某国国防省から取り寄せた新鮮なモノとなっております。


       弱点としましては肌荒れ・痒みを伴う可能性がございます」



   ('A`)「んな部屋案内すんなよ!つーか作るな!」



 (^ω^)「ご安心下さいお客様!


       アルミホイルを頭に巻くことでWi-Fiを無力化出来ます!」



   ('A`)「そもそもWi-Fiを可視化しなきゃいいじゃねぇか!」



 (^ω^)「アルミホイルはフロントで無料貸し出しとなりますが?」



   ('A`)「なりますが?じゃねぇよ!ぜってぇ泊まるかそんな部屋によ!」



 (^ω^)「そうですか。では3つ目のお部屋のギミックですが……」



   ('A`)「どうせロクなもんじゃねぇだろ……」



 (^ω^)「幽霊が出ます」



   ('A`)「幽霊のことギミックって呼ぶなよ!!」



 (^ω^)「?お客様によりますと、若い女の霊だそうですが」



   ('A`)「なんでよく分かって無いんだよ!

   

       ギミックってんなら把握しとけよ!」



 (^ω^)「さて、どちらになさいますか?因みに全て同料金となります」



   ('A`)「どれも嫌だよ。あ~あ、他の宿にするか」



 (^ω^)「朝食込みで宿泊料3,000円となります」



   ('A`)「3つ目の部屋でお願いします」



 (^ω^)「まいどありがとうございます。気に入らなければチェンジも出来ますので」



   ('A`)「まぁ幽霊なんてどうせ居ないからな。普通の部屋だろ」



 (^ω^)「それではお部屋に案内いたします。

 

       申し遅れました。私、当館の女将、なごみと申します」



   ('A`)「なごみさんですか。珍しい名字ですね」



 (^ω^)「あ、すいません。なごみというのはミドルネームでして」



   ('A`)「ミドルネーム?日本にそんなのあるんですか!?」



 (^ω^)「はい。当館ミドルネーム有りでやらさせて頂いております。

 

       私、本名はどぶろずん・なごみ・カチャクと申します」



   ('A`)「どぶろずん・なごみ・カチャク」



 (^ω^)「はい。どぶろずん・なごみ・カチャクです。

 

       覚えて頂き光栄でございます」



   ('A`)「多分明日には忘れてると思います」



 (^ω^)「おほほ。御冗談がお上手で」



   ('A`)「いや割とマジです」



 (^ω^)「因みに、当館露天風呂は午前0時までとなっております。

 

       それまでにお入り下さい。朝は5時からとなっております」



   ('A`)「あ、はい分かりました。ありがとうございます」



 (^ω^)「当館自慢のレモンサワーの湯をごゆっくりお楽しみ下さい」



   ('A`)「レモンサワーの湯?あぁ……レモンを浮かべているんですね?」



 (^ω^)「いいえ。レモンサワー原液かけ流しでございます」



   ('A`)「レモンサワー原液かけ流し?」



 (^ω^)「はい。地下から汲み上げた炭酸泉でレモンサワー原液を割っております。

 

       ちなみにアルコール度数は3%となります」



   ('A`)「……普通の温泉は無いんですか?」



 (^ω^)「?」



   ('A`)「いや、首傾げてもだめだろ。え?なんで割っちゃったの?」



 (^ω^)「こちら当店イチオシのギミックとなっております」



   ('A`)「お前はギミックの意味を辞書で調べてこいよ」



 (^ω^)「ご不満でしたでしょうか?」



   ('A`)「ええ。温泉には入りませんよ」



 (^ω^)「グレープフルーツの方がよろしかったでしょうか?」



   ('A`)「そうじゃねぇよ!」



 (^ω^)「あ、ドライ派でしたか!申し訳ございません。

 

       近年はレモンサワーが人気との事で……」



   ('A`)「いや、確かにレモンサワーは旨いけども」



 (^ω^)「当館、お客様目線での経営戦略を心がけております」



   ('A`)「目線思いっきり外してますよ」



 (^ω^)「さて、こちらがお客様のお部屋『柳の間』となります。

 

       鍵はこちらのカードにです」



   ('A`)「あ、はい。ありがとうございます」



 (^ω^)「それでは。どうぞごゆっくりおくつろぎ下さい」



   ('A`)「……やべぇ所泊まっちまったな。


       ま、安かったし後は寝るだけだ。


       これくらいは我慢しないとな」



       ガチャ



( ・∀・)「あっ」



   ('A`)「あ」



( ・∀・)「…………」



   ('A`)「…………」



( ・∀・)「どぶろく温泉郷なごみ旅館『ずんちゃか』へようこそ。


       私、柳の間ギミック担当のペス子です」



   ('A`)「……チェンジで」



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[良い点] 内容が面白く シンプルな掛け合いで分かりやすく ネタの数も多くて面白かったです!
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