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第5話 メグとマリ

「あ、あれれ??」

「な、なんで変身が解けたの??」


10歳くらいの2人の少女が慌てている。


ニノは少女たちの襟を後ろから掴んだ。

少女たちは駄々っ子のように足をバタバタしている。


「は、はなせ!!」

「つ、つかまっちゃいました〜!」


口の悪い子がケビンに、おっとりした口調の子がボブに変身していたようだ。


「君たちは一体なんであんな姿だったのか説明してもらえるかな?」

「お、おまえこそ何であたし達が変身してるのが解ったんだ?」

「ほんと、不思議です〜」

「・・・」


あの能力は「capture eyeキャプチャーアイ」と呼んでいる。

眼の力を使うと小さな光のようなものが、相手の部位か持ち物か場所は不特定だが必ず光となって出てくる。その光を捕まえると相手が不利になる仕組みだ。

何でそんな能力があるのかは俺も知らない。


何故かって?


・・・それは俺が転生者だからだ。


俺はもともと地球の日本でサラリーマンをしていた。

会社の面接では良い雰囲気の職場だと思い入社を決めたが、実は毎日残業で仕事仲間とは馬が合わず、辛い日々を送っていた。

時には上司にフロア中に響くほど怒鳴られたり、何かトラブルがあれば電話が鳴り早く帰りたいのに終電を逃すこともあった。以前、退職しようと会社に話をしたら上司に泣きつかれ、なくなく会社にいることになってしまう自分の人の良さというか、気の弱さが嫌いだ。

ある日の仕事帰りに60歳くらいのおっさんが橋から飛び降りようとしている所を目撃し、頭で考えるよりおっさんを止めようと走っている俺がいた。おっさんを止めようと走ったのは良いが、おっさんは俺を何か怖いヤバい奴と思ったのか、橋にしがみ付いて体を屈んだ。そのせいで俺がそのまま橋から落ちてしまった。


「やべ、この高さは助からない・・・」

「ほんと俺の人生は良い事なにもなかったわ」

「次、生まれ変われたら全く違う生き方をしてみたいな」


走馬灯なのか落ちた瞬間、時間が止まったように時がゆっくり流れるような感じがした。その後落ちてどうなったのか覚えていない。

気がついたらベッドの上だった。

起きて鏡を見た時、別人の姿だった。

もちろん地球ではない他の惑星だった。


その惑星は他の惑星の宝を盗んで生計を立てている星であったため、気がついたら俺も物を盗るスキルを学んでいた。まあ、別人の姿だし軽い気持ちだった。しばらくはこの星の住人たちと仲良く暮らしていたが銀河警察にお尋ね者として狙われるようになってしまい、それがきっかけで星を出ていくことにした。


何で俺が転生者かだって?

ある時、銀河警察に捕まり取調べを受けていた。

警察の話では転生者は体の一部に数字ナンバーが刻まれているらしい。

確かに俺の首には「2」のナンバーが刻まれている。でもあの橋から落ちてから気づけば別人の姿だったし、気にもしてなかったからな。

ま、とにかく転生者は災いを起こす存在らしい。

過去に何かあったのか聞いたが…当然何も答えてくれなかった。


・・・あとは色々あったが話すと長くなるからまたの機会にしよう。


「先に君たちが答えてくれるなら話してもいい」


「ほんとか!?」

「じゃあ話しますぅ〜」


「まずは本当の名前を教えてくれ。まさかケビンとボブじゃないだろ」


「当たり前だ。あたしはメグ。ケビンは兄貴だ」

「わたしはマリです。ボブはお兄さまです」


メグはショートヘアでメカニックマン的は服装だ。

マリはロングヘアで魔法使いといえばローブ姿と言わんばかりの格好をしている。


「あたし達は行方不明になった兄貴達を探して旅をしているんだ」

「そうなんです。ですが数日前に空から未確認飛行物体が落ちたと情報がありまして、落ちた近くがこの旅館だと知り、2人でやってきた次第ですの」

「で、あんたが噂の宇宙人なんだろ?」


「宇宙人?俺が?どういう事だ?」


「あんた知らないのか?さっき空から未確認飛行物体が落ちたって言ったろ?ちまたじゃあ宇宙人が来たって話題になってるんだぜ」

「それを両国の国王様が調査してこいって依頼を受けまして、今ここにいるんですの」

「おい!マリ!国王様の依頼は言わなくていいんだよ!」

「あ!ついうっかりしてしまいました」


舌を出して照れるマリ。


「両国の国王って、この周辺は街らしきものは見えなかったぞ」


「それは光学迷彩を使ってそう見せているんですう」


ドヤ顔のマリ。


「だーかーらー、何でその事も話しちゃうんだよ!」

「あ!ごめんなさいー」


また舌を出して照れるマリ。


ニノは少し呆れた様子で話しかける。


「そこまで話したついでに何で2つの国が光学迷彩で姿を隠してるんだ。しかも国王からの依頼っていうが、お互いに休戦してるとはいえ敵同士なんじゃないのか?」


マリが答えそうになったのをメグが押さえて答えた。


「戦争をしてたのは昔の事。休戦から今までお互いに同盟を組んでるんだよ。何で光学迷彩をして街を隠しているのかというと、詳しいことは分からないけど10年前からモンスターが街を襲うようになったんだ。でも光学迷彩をすると襲われないんだ。理由は不明。とにかく街を隠していないとモンスターに襲撃をされるからなんだ」

「今、モンスターのアジトは掴めたのですが制圧するには、お兄さま達の力が必要ですの。ですがそのお兄さま達が行方不明なのですう」

「なあ、あんた。兄貴達を探す手伝いをしてくれよ!あたし達の変身を見破るくらいなんだ。腕は立つって事間違いなしだ!」


何だか面倒な事だが宇宙船は壊れて宇宙そらには戻れなさそうだし、この依頼を受けて報酬がもらえれば宇宙船を直してもらえるかもしれない。モンスターが気になるな。楽な相手なら良いのだが…どうするか。


「ニノさん。依頼受けては如何ですか」


マザーがニノの背後から話してきた。

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