「恋愛」への警告
今回のテーマは、死ぬほど下世話で下品で、尚且つ身も蓋もない。
「ホントにあの人が好き」というものを経験するまでは、あまり読まない方がいい。
あともう少し性知識もつけておくべきだ。
それより前に読むことをオススメは……しない。
だが高校卒業まで、また好きな人に告白するか、告白をOKする前には絶対に読んでおけ。
かなり長いぞ。
妹よ。ハッキリと言っておこう。
お前は美人だ。整った顔立ちを持っている。
顔面偏差値という、世間の人間が使う不平等体現システムに照らし合わせるなら、大体上の下~上の中くらいには位置している。
残念ながら上の上ではない。ギリギリ「学校(四百人程度を想定)の美人二十人に入るかどうか」というレベルだと思う。
俺のような顔面偏差値が中の下~中の上の俺には勿体ない妹だと思う。
お前のお陰でこれまで学校の「美人」と呼ばれる人間に「おお、そうだ、アイツは美人だ」と思えるようなヤツは一人二人だった。
俺が二次元に入り浸るいくらかの原因の一つだ。
周りの男が「アイツいいよなぁ」と言うのに首を捻っていたら、いつの間にか「男の方が……」という噂になってしまった辛み……。まあ、俺の顔がかなり濃いのもあったんだろうがなぁ……。
さて、そんな俺のトラウマの一つはいいとして、そんなお前も、大人になっていくにつれ、絶対に避けては通れないだろう道を通ることで、顔面偏差値は更に上がることになる。
普通男にはできない、二択の勝ち組の特権、そう、化粧だ。
その名の通り、「粧って」「化ける」んだ。英語なら「メイクアップ」なんだから、化粧すりゃ普通は顔面偏差値は上がる。
そうなったときのお前は、予想だが、体型によってはそんじょそこらの女は太刀打ちができなくなる。それくらいには「イイ女」になれる。
であるが故に書いておこう、この警告を。
心して読め、これは「男」という負け組の中で、負け組であることを自覚してそれでもなお女と男を考え尽くした俺の、ただの悪口みたいなもんだ。事実ではあるんだがな。
まず、自覚しておくべきなのは、男と女では「恋愛の仕方が違う」という点だ。
お前は女だから女について詳しく書くのはよそう、だが、男というのは、恋愛においては、それはそれはチョロくてクズな性質を持ってる。もちろん何事にも、これにも例外はいる。例えば俺。
感覚的には俺は男よりも女の感性を持ってるからか、はっきし言って他の男の言うこととかを聞いてると嫌悪感しか湧かない。
「アイツは顔はあんまりだが性格はいいから長く付き合ったらわからない」とか「顔よりアイツは胸がヤバい」とか……。何様だお前らは。俺が学校で男と話す時間より女と話す時間の方が多かったのも頷けるって話だ。女は思っても口に出すほどお子様じゃないからな、まあ相談はされたりしたが。それでも男と比べりゃ楽なこと楽なこと。
まあ、でもやはり男っていうのは基本、そういう幼稚なところが多い。なんでこんな愚痴になったんだか……。とにかく、世間の「男」と、俺は別の生き物だと思った方が良い。俺と同じだーと思って接してたらエラい目喰うことになる。
で、だ。男ってーのは、「好きじゃなかったのに好きになりました」とかが余裕であり得る。これ以外にもいろいろあるが、根源を先に言っておくべきだったな。
男と女の恋愛観最大の違いを形作ったのは、狩猟民族時代の話だ。男は狩り、女は家を守って子育て、という役割分担があったときに恋愛観が形作られる。
で、だ。どちらの性別にも共通するのは、「自分の遺伝子を遺したい」だ。
男はそれ故に、「なるべく多くの女を孕ませること」が希望だ。女の希望はその後、つまり「別に何人も孕ませるのは構わないが子供を育てるのに父親にいなくなられると困る」が一番デカい。まあ食糧事情は男が担ってるわけだしな。
その感覚は本能として引き継がれる。
さて、女についてはいいや、男についてだ。
さっきも言ったとおり、「なるべく多くの女を孕ませる」という悟りを念頭に置くと、男の本質というのはすぐに見える。挙げつらっていこうか。
「どんな女でも、いいと思ったなら好きになる」
さっきのだな。好感度が上がったなら、元が興味なかった女だろうが、元が嫌いなヤツだろうが、問答無用で「好き」のカテゴリーに入ってしまう。
「好きになった女は性行為をするまでは手放そうとはしない」
実際、他の男にとられると一年近く自分の子供は産んでもらえないわけだからな、そりゃ独占したくなる。
「性行為すると、また子供ができると、『好き』という気持ちは確実になくなるかほぼ消失する」
子供ができたらそうなるというのはまあ納得だろう。父親として目覚めるとかそういう良い意味でも、もうその女は一定期間は用済みという悪い意味でも。
ただその子供を作る行為自体でも興味を失うヤツもいる。注意しとけ。
「女の『女』を意識しない」
これは別に男女関係ないんだが、結構「人を愛する気持ちは皆同じ!」みたいな妄言吐いてる可哀想な人がいくらかいるから、その忠告みたいな意味で。愛する気持ちも、愛し方さえも、男は男で、女は女だから違う。特に男は幼稚かつ「ダメなら他の女」という考えが、なくても本能に染みついてるから、女が男を考えるよりはるかに「女の恋愛」を意識しない。できない。
まあ、箇条書きにできるのはこういった感じだ。
で、箇条書きにしにくい物をこれから書く。
告白の成功率は、男が10%なのに対して、女はなんと60%だ。半分を超える。
これは女が男を捕らえるときはかなり男より策を弄するというのもあるんだが、一番デカいのはやはり恋愛観の違いに他ならない。
だからまあ、お付き合いしたいな、くらいに思うなら、多分お前の顔なら体型さえ整えれば告白は叶うだろ。ただし、大学卒業までは性行為は控えておくことをオススメする。お前にとっても、相手の男にとっても、精神が発達してない時の性行為は毒だ。それに恋愛が絡むと特に。
さて、ここまでは男と女の違いについてあげつらったが、ここからは「恋愛」そのものを語ろうと思う。
「恋愛」と世間では言っているが、世間で言っている惚れた腫れたは、恋愛のうちの「恋」が90%を占める。「愛」はほとんど入らん。
んじゃ「恋」と「愛」の違いってなんじゃいと言われれば、端的に言うなら、
「有償で利己的か無償で利他的か」だな。
「愛」とは本当に尊い感情だ。愛があれば、その人のために命を投げ出すことすら厭わなくなる。
それを断じて「恋」なんかと同じにしてはならない。であるが故に俺は「恋愛」という言葉は嫌いなのだよ。
学生という、おちゃらけた身分の内でする恋愛は、そのほとんどが恋だ。理由は単純。精神年齢が低いから。ごく稀に「人を愛する」ことができるヤツもいるが、そういうヤツは絶対人生のどこかで「恋」を経験している。
基本、恋というのを経験して、それをいかなる形であれ散らした経験がないと愛に気付ける者は少ない。ちなみに愛は失われるものではない。減っていって、尽きるものだ。「失恋」があっても「失愛」はなく、「愛想が尽きる」という言葉に代えられるのが証明だな。
ただこの場合の恋を散らすというのは、失恋をしっかりと己の中で飲み込んで考えて理解して区切りを付けて吹っ切れて初めて成立する。女はかなりそれができるし、早い。男は……お察しだな。だから男はあまり人を愛せないんだよなぁ……。
まあとにかく、愛と恋が大きく違うのは理解したな。
で、だ。愛はいいんだ。素晴らしい物としてほっとけ。問題は恋だ。
いいか、あまり幻滅するなよ?
「好き」とか「恋」は、根底を探ると全て性欲に行きつくんだよ。女は大体が中学から高校くらいまで、男は大体が大学卒業から三十代前半くらいまで。精神的に未熟なヤツの「あなたが好きです。付き合ってください」は、「あなたとセックスがしたいです、どうか私に体を差し出してください」が副音声だ。
この副音声が付かなくなるのは、その人と一生涯添い遂げようという覚悟があったとき。その時は副音声が「あなたを愛しています、私を差し出します」になる。
で、これに気が付いてしまったために、俺は今の今まで「お付き合い」というものをしたくなかったしできなかったわけだ。
考えてみろ、中学生男子が「一生涯をかけて貴女を幸せにすると誓います、どうか結婚を前提にお付き合いをしてください」と言ったときの光景。
ドン引かれたよ。それはもう凄まじく。十秒くらい相手固まってたもん。お前何歳だよ、って目が物語ってたもん。
精神年齢の不釣り合いは、こういうことが起こるわけだ。辛い限りだぜ……。
ま、まあ、それはさておき、だから基本的にお前に幸せになってほしい俺としては、付き合うなら「一生をかけてこの人と添い遂げます!」という、お前に対して「愛」を持った男と付き合ってほしい。今のお前の年齢じゃ、それをできる男は同級生には滅多にいない。俺の時も学年には俺以外にはいなかった。高校卒業近くでやっともう一人くらいだった。だから、せめて学生をやめるまでは、性行為までいくのは控えてほしいと思ってる。
でも、その前にどうしてもお前が好きになった男がいて、そいつとしたいってんなら、もう止めはしない。感情だからな。実際その場合はお前自体が「この人とセックスがしたい」と本能的に思ってるわけだし。だが、その男は多分ヤリ捨てるぞ。それでも、お前自身が満足なのだと思ったなら、止めはしない。突き進むと良い。それも経験だろう。避妊は忘れずにな。
童貞、処女の割合とIQとの相関性は、IQが高くなればなるほど、また低くなればなるほど多くなるらしい。逆に、IQが平均の「コミュニケーションに問題はないが考えない奴ら」が一番割合が低いのだと。
……この作品はあくまで駄文だ。物語文でも、人を楽しませるための物でもない。
いつか、俺自体の恋愛観も、語っておこう。
それか、逆に俺の経験を小説にでもするか。多分、他の人よりは、波瀾万丈だろうからな。
ほぼノンフィクションのライトノベル、できたら楽しそうじゃないの。
お前に、俺の敬愛するニーチェ含む、二人の言葉を授けておこう。恋愛は、かなり難しい物だからな。少しくらい格言に頼ってもバチは当たるまいよ。
男の幸せは「我欲す」
女の幸せは「彼欲す」
ということである。 ニーチェ
恋を得たことのない人は不幸である。
それにもまして、恋を失ったことのない人は
もっと不幸である。 瀬戸内寂聴
幸先を祈ってるよ。
次は、少し引かれそうな事でもテーマにしてみようか。




