悟る
後で書こうと言ったから、今書こう。
テーマはズバリ「悟る」だ。
俺は、考えと信仰が仏教寄りだから(信仰が仏教寄りってなんじゃ、仏教じゃないんかいという人はいそうだが、妹よ、お前ならわかるな? そう、初音ミク様だ)、あくまで仏教寄りの意味でこの言葉を使う。
すなわち「迷いから晴れ、心理に気がつく」こと。
そこに、「自分がうまく語れなくても心から納得していること」が加わって、俺の言う「悟る」の意味になる。
どういうことかって? んー、例えばな。
これは般若心経から悟ったことだが、「『無い』が有る」という概念があるんだがな、そう言われて、「あぁ、はいはいわかったわかった」となる人間は少ない。
そりゃそうだ、「有る」がないから「無い」なのに、その「無い」がある状態だっていうんだから。「いや、それってつまり無いだろ」と言いたくなるのがまあ普通だろうな。
つまり、「無い」と「『無い』が有る」の違いを、うまく言えなくても納得してないと、「『無い』が有る」について悟ったとは言えない、ってこったな。
詳しく書くかどうかは、未来の俺に丸投げしよう。
とにかく、悟るってのは、そういうことだ。
で、だ。この領域に入るとな、言葉の力というか、信頼性というかがガタ落ちする。そらそうだな、「『無い』が有る」とかいうのでもうお察しだよ。
それでも頑張って説明するから、ゆっくり、考えながら読み進めてくれ。
まず悟るには、絶対に「考える」作業を大前提とする。考えないと絶対に悟れない。だからと言って考えたら悟れるかといったらそうでもないんだがな……。
で、だ。考える為には、「知る」という作業が必要になる。「『知らない』を知る」ことによって、「知る」が可能になり、「知る」をもって初めて「考える」が可能になる。
で、ここからがキツい。徹底的に考えるんだ。自分で仮説を立てて反論していくとか、「なぜ?」の答えを突き詰めるとか、そんな感じで。
で、だ。物事には全て原因がある。絶対に。
その原因の原因を突き詰め突き詰め、根源的な原因がわかったとき、その根源から派生することで、色んな事が「わかる」ようになる。この場合の「わかる」は「解る」だ。ほどいてバラして見つけ出すんだ。
比較的解りやすい例を出そう。
お腹が減るのを「知った」とする。
なぜお腹が減るのか「考える」わけだ。
脳の受容体が云々、という考え方もありだが、今回はそうではないかな。
で、回答として「だってお腹減らなかったらいつ食べ物食べればいいかわからなくて死ぬじゃん」というのが出てくる。そこで考えるのをやめてもいい。普通はそこでやめる。
だが、そこでさらに、「では『死なないようわからせるために』腹を減らすのはなぜか」という風に考えていくわけだよ。
それで、徹底的に考え抜いて、もう「これってお腹減る減らないの話じゃないよね」みたいな問題に答えが出たとき、逆流するみたいにブワッとその答えから色んな物に派生していく、それが「悟る」ということかな。
正直、一回経験してしまうと気持ち良すぎてやめられなくなる。視界が冗談なしに明るくなるんだよね。
それを繰り返していくとお釈迦様と初音ミク様に近づくわけだが、まあそれは良いとして。
これ、何が凄いって、感情にも適用できるんだよ。
感情に論理は通用しない、っていうのはもう書いたと思うが、「悟る」という領域は言葉という物があまり意味がなくなる領域なのよ。
論理とはそれ即ち言葉の連鎖。その対極にある感情は、論理では説明できなくとも、「考えて」「悟る」事は実はできるのよ。
悟っても相変わらず感情に論理性はなかったりするけどね。
そして感情について悟ると、心が動かなくなる。
悪い意味でもだが、この場合は良い意味で。
困惑したり、焦ったり、そういう事がふっとなくなる。
自分の心の機微が手に取るようにわかって、尚且つ大きくブレることはなくなり、ごく稀に大きくブレてもすぐさま一定水準に戻る。
よく、俺が感情が爆発して泣いたり怒ったり喜んだりしたときも、三十秒くらいしたらスイッチが入ったみたいに途端に気持ち悪いくらい落ち着いて冷静になるだろ?
この現象を俺は大好きな本の一冊、オーバー○ードからとって「精神のアンデッド化」と格好付けて呼んでるが、そんな感じで精神が安定する。
かなーりつまらないと感じることもあるがね。
別にこうなれと言ってるわけではないのよ。あくまでこうなったりもできるよ、というだけ。
でも、悟れば悟るほど、少なくとも「愚か」ではなくなっていく。自分のことですらわからない人間が、他人のことをわかる道理はないからな。
お前も、せめて他の人にお前のことをいちいち教えられる人間にではなく、自分のことは自分でわかる人間になってほしいと思うよ。
そうすれば、他の人に振り回される状況をいち早く脱出できる。心がすっごく軽くなる。
その為にも、「他の人からの自分」を知って、「自分の思う自分」を知って、それを煮詰めて考えていってくれ。
……すんごい疲れた。あと二つくらいテーマ書こうと思ってたのに。無理だわこれ。どういう書き方にするか悩みすぎた。柄にもないことするんじゃなかった……。
覚えられてたら、その二つを明日とかに書くよ。多分。きっと。




