一心同体
昔々とある国が魔王の手により滅亡の危機に襲われていました。
数多くの人間が殺され、嗚咽と悲鳴が入り混じった世界で人々は絶望に飲まれていました。
しかしある時、ひとりの勇者が現れました。
勇者は魔王討伐の旗を掲げ人々の一抹の希望の光となったのです。
それから数年経ち、国全体の協力もあり勇者と魔王は一騎打ちし、勇者は勝利の端をつかみます。しかしあと一歩のところで倒せず、絶体絶命の危機に陥りました。
ところが勇者は、人々を守るため自らを犠牲にし、最後の力を振り絞って魔王を己の体に封印したのです。
かくして国滅亡の危機はさり、国に平和が戻りました。しかし何百年、何千年経った後も勇者は未だ、魔王と共に在るのです。