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データの更新

店主から聞いた週刊誌にいった。週刊誌の名前は聞き覚えもあったため戸惑うことなく入った。

「八木ですが・・・。」

「あぁ、それじゃあ社長がいるのであっていただけますか?」

「わかりました。」

こじゃれたカフェのように思えてならないのだ。椅子はとても高いものではないようだ。社長は笑みを浮かべたまま喋った。

「宇佐美についてですか?八木圭太さん。」

「違います。エリア情報システムで内部告発があったことについてです。担当していた方から話を聞きたくてですね。」

棚から見えるファイルの量の膨大さを感じた。ブルーに染まったファイルを1つ取り出した。

「それは宇佐美が住み込みをしていた時期ですね。彼がいないのが難点ですが記事はすべて残しているので見て下さい。」

過去の記事を見てみると書いた記者の名前が匿名となっていた。圧力がかかったため出さなかったことを言わなかった。

「エリア情報システムの人がいってましたよ。阿部登のデータを渡すからそのようにしてほしいと要求してきたんです。内容が不自然だと宇佐美は嘆いていたんですよ。そうですよね。長年記者をやってきたんですから。」

社長は茶を音をたてぬようにして飲んだ。宇佐美はこの会社にとってエースであったのだろう。だから匿名でも受け入れたのだ。事件を引き起こす鍵になったわけではないのにだ。

「毎回、出すときは会社に送るんです。エリア情報システムは加藤剛の名を出してきたので俺は戦ったんですよ。そして裏に警察とやくざがいるんだとか偉そうに言ってきて不愉快でしたよ。あのボンボン死ねばいいのにと思ってたんですよね。」

社長でも生い立ちが違うだけで対応が変わってくるのだ。後ろ盾があるからどんな行動をとってもいいと思っているのかもしれない。浮かれた気持ちが真正面に出ているのだ。呆れたものたちであるのだ。本人は微塵も感じていないのだろうが・・・。

「だから2代目の会社はよく失敗をするのかもしれませんね。普通がわからないから自分を基準にしてしまうんですよ。そのうえにプライドはバカぐらいでかいんですよね。」

此処の週刊誌の会社は1代で築き上げたため嫌というほど苦労はわかっているだろう。人のためにという気持ちがあるのなら別の活動があるだろう。分かりもしないのだろう。分かろうと思わないのだ。外野がいっているという程度をしか思えないのだろう。

「データもらえますか?参考にしたいことがたくさんあるので。」

社長は心よく渡してくれた。

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