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2つの悪魔

「こちらになります。」

普通の額縁に入っているのだ。いい作品ほど特注の額縁を作るらしいのだが、一切使われていなかった。一時期は使っていたがやめたのかもしれない。いわくつきというレッテルに気づいたはずだろう。

「これを模写で書いてくれる画家っていませんか?レプリカとかで書く画家っているじゃないですか。2つを比べないといけないので。」

次に行くギャラリーの名前が書かれた名刺を取り出し、テーブルに置いた。管理人は思い出すようにしている。多分此処のギャラリー専属の画家がいると思われる。

「わかりました。少し時間をいただけませんか。あちらのギャラリーと話し合わないといけないので。すいません。」

またそそくさと逃げるように部屋を出ていった。源太郎は画家として成功しているが、画家になろうとしてやっていけなかった人が行っていることもあるそうだ。

「兄貴さ。この事件を扱うことが良かったのだろうか。どんどん政治家の悪事を見抜いているんだ。テレビで映すマスコミ批判や失言をしてもろくに謝らない政治家の本当の姿が見えてくるような気がしている。単純な事件ではないのだと。」

「俺も思っている。政治家が行っているギャラリーが関わるなんてできすぎた話としか思わないんだよ。画家が3人も死んでるのに悲しんでるのは民間のギャラリーだけさ。金さえあればどうにかなると思っているんだ。」

ドアのノック音がした。答えると入ってきたのは管理人とは別の人間だった。紙をもっていた。

「管理人からちょうどいらしゃると聞いたので相談があるんです。嘉門さんが提示しか価格よりも上の値を付けてる方がいるんです。」

「そうですか。下げるようにしてください。価格が上がる事では得られないことがたくさんあるのですから。」

ギャラリーの人というよりかアルバイトのように見えた。源太郎の言葉にその人は頷いて出ていった。管理人は客が来てくれることしか考えていないのだと思った。管理人が戻ってきた。

「示されたギャラリーと相談しまして2つのギャラリー専属の後藤喜朗がやるということに決まりました。八木さんなので高額なものではしないようにとくぎを刺しておきました。」

「勝手に話を付けたのですね。片方は民間のギャラリーなのですよ。何を書いてくれと頼んでもいないのに勝手にされると事件に支障が出たら貴方の責任なんですからね。」

圭太の目に見えないが言葉で分かる怒りがすべてを見せていた。民間のほうが不利になるのがわかっているからだろう。作品もわからない管理人がいったのだから。

「作品はわかっています。『デスの悪魔』ですよね。」

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