豪邸
一番近いギャラリーがあるといってもバスを乗り継がないといけないほどの立地としては生きにくい場所なのだ。バスで行ってもいいと思ったが時間がかかるのはかえって手間だと思ってしまう。源太郎の車に2人は乗り込んだ。金持ちはたいてい外車を買いたがるが性能では日本車がいいので買ったのだ。マンションに飾りのように置いているのだ。
「政治家は手間をかけるのは惜しまないのにあとの処理をキチンとしないからね。後ろ盾がいないとやっていけないんだよ。親とかの力で。」
「乱しているのに気付くことがないのだろうな。神からの目線でいるのだろうね。一番いらない神といってもいいだろうな。」
源太郎がハンドルを握る。車に太陽の光が入ってきている。まぶしいと思って圭太は顔を手で隠した。その行動がどこか政治家やホシがやっているのと同じような感じがして嫌になった。ギャラリーにつく途中にあるコンビニへと寄った。缶コーヒー2本と会計のところにあるお菓子を数個買った。
「ギャラリーができた頃は近所の人は喜んだんだよ。けど、手入れがあまりにもずさんで荒れていくばかりだから加藤剛を追い出したんだ。で、今の管理人になったんだけどね。作品を丁寧に扱うから画家の間でも有名になってもう一度買戻しをしようとして買い戻すことができなかったんだよ。エリア情報システムが価格を知っていたかのような値を上げたから。」
警察以外にも後ろ盾がいることを証明している。1つの企業が警察とかの力を借りてやっているのだ。ギャラリーがどこかで商品になってしまっているのだろう。
「料金が高いとか言って新聞で取り上げられていたみたいだけど。」
「あまりにも周りと比較する必要がないくらい高かったんだ。それを知った近所の人がオーナーを追い出して今の状況になっているんだ。此処もすたれているんだよ。騒動があって多かった時期もあったけど、過去の栄光のようにしか映らないんだよな。」
画家を支援するといった政治家は次々と消えていった。うたい文句ばかりを吐き出してつばを飲み込もうとして苦しんでいるのだ。それは嘘に染まったことを示しているのだ。画家はいつもどこかで取り残されてやめていくものが多くなった。サポートするようなところが消えていくからだ。生き残るのが難しい地域となった。一時期はなりやすい地域であったのに。仮面の裏を見ることができれば此処まですたれることもなかったのだ。嘆きの声なんて・・・。




