光のない闇
テレビはノイズのように聞こえている。絵を描くことは最近できていない。個展があるがいつもなら沢山書いて選んでいるのにと思ってしまう。ソファでおぼれるように酒を飲んでいる。ニュース速報という言葉に反応した。書かれていたのは八木幸助の逮捕をしたというものだった。誰がするかはわかっていた。
「圭太が捕まえた。きっと政治家の事件も明らかになる。抱えているものがなくなるんだ。」
独り言が出てくる。2人は普段あまり弱さを見せない。心配をかけてしまうと思ってしまっているからだろう。政治家の言い訳は子供のようであり、子供が駄々をこねているかのようにしか見えない。記者会見といっても記者の言葉から逃げているだけだ。金を奪って高くしているうえに借金を作っている。全て政治家が悪いのだ。権力で守れるものなど限られている。自分で犯したことですら謝罪もできない。むしろ忘れさせようとか人の所為にして責任から逃れようとか最低の人間であるのだ。幸助が親の権力で潰したように。政治家がいつもやるのはどうして逃げることばかりを考えているのだろうか。テレビで映すのは都合のいいように物語を語る語り手のように。偽証とか問われることに変な言い訳を言って何が出てくるというのか。金に対して欲望が強くなっているのは政治家である。貧困とか言葉の意味を知らないのだろう。政治家の辞書には責任とか有言実行とかないのが正しいのだろう。
「自分の事を棚に上げて批判するとか何様のつもりなのか。自分の形跡は良いことばかりを積み上げているのだろう。悪いことはすべてなくしてしまうのだ。誰も責任をとれないのだろうから。道しるべがないのは政治家であるだろうから。」
自分の過去の経歴は忘れてしまっているのだろうか。一市民として市民運動に参加するのではなくすべてを話すほうが最優先である事がなぜわからないのか。都合のいい言葉を使うのいけないのだろうと思わないのか。税金は政治家たちの屑に使うために回収しているのか。もっと使い道を考えない。無駄遣いをして怒られて拗ねて去っていくのは子供だけにしろ。それは大人という名だけであってつまらないことをしているのだ。本当に信頼という言葉を逃げり潰した人達であるとまじまじと感じてしまう。
「積み重ねとかいうのを知らないのはいけないだろう。全てうまくいくという幻想の中で漂って迷って出口すら探そうとしないように。霧の中で光を見つけることはできないのだから。」




