嘘で彩る
ギャラリーは静かであまり見た目ほど使われていないのが感じる。八木は電話をするために出ていった。管理人は思い出したように話し出した。
「あの刑事さん、確か八木とか言っていたけど能勢さんのところの子かな?」
「そうですよ。八木圭太って言います。能勢さんと何かあったんですか。何処かであったことがあるんですか。」
管理人はいってはいけないことを聞いてしまったというような顔をした。工藤は聞きたかった。親父を信じることができず、周りの人を頼る事は出来たのか。どうやって大学までいったのかとも考えていた。
「彼等はおふくろさんが死んで金だけをとろうとした親父さんを見て2人とも人間不信に近いところまでなりかけた。大学まで2人とも行けたのはおふくろさんが死んで出たお金があったから好きなことをしようとした。源太郎君は美大へ行って画家になった。それは圭太君が幼い頃ほめたからだよ。」
近くにいる人達は信じられたから今があるのだろう。政治家や官僚は責任を逃れるために嘘を吐き続ける。何処から信頼という言葉が出てくるのだろう。嘘を吐き国民から信頼を亡くしているのにも気づかずにほっといているのだろう。いわば、いじめと変わらない。無視をしているからだ。
「人から聞いた話だから分からないこともあるけれど能勢千尋さんはよく此処に来ていたよ。何時か息子の絵が飾られるのを見れるのを夢見てね。あんなことになるなんて誰が思うと思う?くだらないことに金をかけているんだよ。他人事でしか話せない人は。」
八木がかえってきてギャラリーを出た。総理大臣を選ぶことはできないし金の使い方を見ることもできない。都合の悪いことはすべて処分してしまうからだ。消してなかったことにするのは税金を自分の金だと勘違いを起こしているからだろう。一体どこに偉いと思うことがあるのだろう。偉そうにしているだけだ。今更自分の事を棚に上げてまで偉そうだとか指さすなとか小学生以下みたいなくだらないことを言うんじゃない。変わる事ができるのなら言えばいい。どうせ変わろうとか考えないなんて少なくともないはずだから。人に擦り付けてまで生き残ろうとするのは身勝手な考えばかりが先行しているとしか思えない。官僚は証人喚問を受けなくてもいい。総理大臣夫人も受けなくてもいい。民間人は受けないといけない。それは総理大臣を侮辱したからという理由にならない理由で呼び出されたのだ。この格差は必要なのか。ただ逃げているのだ。人の記憶から消し去りたいというわがままに付き合わされているだけだ。




