金の置物
宇佐美史郎は机の上で札束を出していた。普通なら叱るなりしないといけないが取り扱っているのは悪事を働く政治家だからやめた。
「宇佐美、ネタが見つかったか?」
「張り込んでいたらいい掘り出し物がのこのこと出てきましたよ。ゆすれば出さざる負えなくなるでしょう。」
「それは誰だ?」
上司が問いかけると薄ら笑いをしていった。
「エリア情報システムの社長です。黛清っていう人が警察の幹部からわいろをもらっていたのをちょうど写真に映りこんだんですよ。いいかもになってくれればいいんですがね。」
宇佐美は施設にお金を渡していた。政治家など悪事をしていても裁かれなかった卑怯者を法ではない方法である意味さばいているのだ。政治家は金をもっていたって乱用するだけなら有効活用するほうがよほどいいと思っている。
「ほどほどにしろよ。政治家って裏で暴力団と関係をもっている可能性だって否定できないんだから。政治家って詐欺師と同じだから会社としても許しているけどな。」
「そろそろやめるつもりです。画家として生きてその金で施設の子たちの笑顔を見たいと思ってきましてね。勝手ですかね。」
上司は昔の話を八木と工藤につぶやくように話した。そこで出てきた名前は疑惑で渦巻いてる人だった。黛清。やはり、わいろを警察からもらっていたのだ。
「宇佐美は政治家よりいい奴でしょう。詐欺師みたいに国民をだましているのは政治家だって。都合がいいことばかりうわべで一人前に語ってできたことなんてないでしょう。戦前の政策に戻して戦争をしたいのなら政治家が最初に行って死んで来いといいたいですよ。国民から金を盗むのは楽にとるのにもらうのは手続きばかり。情報もろくに入らないのはおかしいとしか思えないんですよ。誰の金で生きていけると思っているんだと問いかけたところで偉そうに返されるだけでしょうね。政治家って屑の集団なんですよ。」
「かなり嫌っているんですね。政治家ってバカかって言えるほど金使いが荒いんですよね。他人の金は荒いくせに自分の金はケチっているんでしょうね。都合のいい屑ですよ。怒るのは場違いとかは思わない人達ばかりですから。当時はどうだったって怒ったところで今は違うってこともわからない人もいるし、たまらないですよ。」
会社の中で行われているのは政治家などの悪口の大会なのだ。国民のためといって嘘をつくのはいけないだろう。わいろとかもらっていても不思議には思わない。ただつぶやかれる言葉がある。やっぱりと。




