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絵の方策

洋菓子店の店主は長居を許可してくれているみたいだった。椅子はないが村沢についてを多くを語ってくれるのだから。

「そういえば忘れかけていたけど油絵を描いていたのは村沢さんだったって。阿部さんはまだ習っている身だから出さないって言ってたよ。」

「いずれは出す予定だったということですね。空き店舗での作品は村沢さんってことですか?」

店主は深くうなずいた。村沢から油絵を習っていることを知っているのは商店街の人達だろう。それがどこかで漏れていることになる。

「そのことを誰かに話す人とかいますか?その人がわかれば犯人がわかるように思うんです。」

工藤は考え深そうにいった。犯人は一体絵に詳しい人なのだろうか。

「おしゃべりがいるよ。その人が話したのなら知っていてもおかしくないけどね。その人はもう死んでるしあり得ないから。」

話をする人はいなかった。知るのは画家しかいないかもしれない。けど村沢は絵をかいていなかったかもしれない。

「村沢さんって一切書いていなかったんですか?」

「書いているよ。趣味で。そこでスペースでおいていたりしていたけどね。」

2人は店主にお礼を言って表に出た。此処で不思議に思ったのはなぜ油絵について知っている人がいるのだろうか。村沢に会いに行って真実を知りたいと思った。彼は絵を教える先生でもあったのだから。

「源太郎さんがいった油絵ってさ。画家仲間から聞いて出てきた話だろう。画家が怪しいと思わないか。」

「まぁ・・・。」

村沢画材店につくとどこか異様に思えてきた。以前来た時よりもどこか寂しさを感じた。そこまでおんぼろだったかとも。

「すいません。」

声をかけてみるが返事がない。家の中に入ってみることにした。そこは1人暮らしで疲れ切った感じを思い起こさせた。リビングに行ってみると村沢が横になっていた。

「寝ているのに押しかけて悪かったのかな。」

工藤が帰ろうと足を店へと向けた。八木は違うという気がしてならなかった。

「死んでる。息をしていない。」

近づいていたため気が付いたのだろう。リビングで争ったような跡があった。強盗でも来たのだろうか。売れない店に押しかけるのだろうか。

「これは阿部登とつながっているとしか思えない。すぐに呼んでくれ。鑑識に調べて貰わないといけないことばかりだ。」

阿部と村沢の関係を知っているのは数少ないと思える。絵にすべての秘密がある。画家になったが売れなったためにやめた男。画家になろうとした男。事件の関係を示し悪役を懲らしめるときが来た。被害者の無念のために。

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