資料の気持ち
工藤と一ノ瀬と榛原は自動販売機のコーナーにいた。捜査一課は多くの事件を捨ててしまう。都合が悪くなったり未解決としてレッテルを貼ってしまうのだ。
「資料室へと行きませんか?八木が一人で悩んでると思うと嫌でしょうがないので。」
「かまわないさ。たいてい隠そうとしているのがほとんどだからね。」
3人は資料室へと向かった。捜査一課が扱わないまたは扱って済んだものを置いている。入ってみると光が入らないところだった。八木の姿は見えなかったため、普通だと不安に襲われたりすることがあるだろうが3人は開かずの扉に手をかけた。開いていた。
「どうかしたのか?3人もいて。」
「八木が何について調べているのかと思ってな。一ノ瀬さんは八木の過去を知っているし榛原は鑑識を指揮しているんだ。八木幸助を裏切るに越したことはないだろう。」
「工藤、あとで向かうところがあるんだ。村沢画材店だ。あそこにはまだ秘密が隠されていると思うのだ。」
工藤は縦に頷いた。一ノ瀬が過去を調べたことについてはあまり指図しないのだろう。榛原もそばにいるぞと問いかけているのだと思った。気になったことには解決するまでやり進める。捜査一課の他の人にはうざいだろうがそれでも構わないと。
「村沢画材店って捜査一課の会議では上がってなかったぞ。どうしてそのことを。」
「阿部登の趣味が絵を描くことだった。そして毎日画材店に行くとしたら近くの画材店へと行くはずだと思って工藤に調べて貰ったんですよ。絵に使うのは多くは水彩画であったのになぜ油絵を使っているとわかるのかと思ってしまってね。」
八木は水彩画の絵は見つけたのに油絵は一切というほど見つかっていない。個展でさえも出していないのにどうして書いているといえたのかと思ってしまう。資料室には薄暗く見えるものはあまりないのかもしれない。見捨てるほどの資料ではないのだ。きっと見落としていることがあるのでは考えているのだ。
「捜査一課に入ってもろくな行動をしない刑事は嫌いなんですよ。上のいうことがすべて正しいと考える奴も。恨みとか勝手にもっていたりするのにそれを大切にして事件に対して重きを置かないのが嫌でしょうがないんですよ。」
「幸助をやめさせるしか方法がないのなら過去の事件で戦うということか?」
「そうですよ。八木幸助というか八木といっている人が許せないんですよ。被害者には寄り添わないのに上に上がれたことがあほらしいんですよ。」
恨みとか怒りがすごい強いのだと思った。分からないのではないのだ。分かろうとしないのだろうから。




