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支えのない紙

おじさんは勝手に過去を思い出していた。そこからたびたび来るようになって子供を預けていったりした。テレビで流れる政治家の悪事なんか誰を救うと思って口論をしているのかと思ったりした。だた自分を守るための遊戯にすぎないのだ。政治家が手を出さないとできないことがあることくらい知っているのをまるで知らないような対応をするからわかっていないと思うのだ。おばさんは源太郎のほうを見た。酒を飲んで眠ってしまったのだろう。

「源太郎君、眠ってしまったから泊まってもらうのっていいかしら?」

「いいさ。圭太君のことだってある。救えなかった千尋さんの罪滅ぼしという感じになってしまっているけど。此処にいて貰えればいい。個展に追われていないのは知っているから。」

おじさんはおばさんに理解したかのような表情をした。誰がこの苦しみを知っているのだろうか。警察に入っても権力にあっさり負けてしまってすべてのいうことを聞くようになってしまう。全て正しいと暗示をかけられているのか。流されていくうちに加害者になっても誰から助けてもらえなくなるというのに。全てを知るのは不可能だというのに知っているような恰好をするのだから。偉そうに口を聞くのは間違いだとは思わないのだろうか。国民の投票があってその場所に入れるというのに勘違いを起こしているのだろうか。見放されるのは政治家のほうだろう。

「ねぇ、こんな世の中変えようとする人っていないのかしら。権力がすべてを勘違いをしている人だってうじゃうじゃいるのに。」

「俺だってわかっているさ。分かっていないのは政治家とか金に欲望を取られた屑だってことくらい。そんな奴がいなかったらこんな源太郎君みたいな子供が生まれないのにな。」

おじさんとおばさんは源太郎に布団をかけた。ぬくもりを与えたかった。感じてほしかった。世の中が冷たいのは時代の流れだとは言えないのだから。

「圭太君も源太郎君も苦労しているのにあの屑親父は猛ばかりを信じているんだろうな。使われたりするんだろう。」

「圭太君、どうして頼ってくれないのかしら。1人で解決しようとしているじゃないかと思ってしまうのよ。だって巻き込んではいけない人だっているはずだから。」

源太郎の寝顔は何処か幼く無垢な感じを連想させた。子供は無垢で知恵を持とうとするが大人になると人を傷つくことを知恵を使ってするのだ。誰かを守ろうとする人を嘲笑うのは違うと思うのだ。人のためと奮闘しているのだから。

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