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紙切れ

一ノ瀬は八木が抱えているものの大きさを知っている。何故自分の意志を突き通すことにしたのかも知りたいと思った。事件を追うのもきっと守りたいと思うがある。工藤は何も言わなくて八木のために動くのは何処かで信じているから言う必要がないのかもしれない。街並みは時代が変わるごとに変化していくが全く変わらないものがある。変わるべきものが含まれているのを知っているのか、知らないのか。警視庁へと向かった。八木は静かに椅子に座っていた。

「榛原が調べてますから。絵のことは気にしなくていいですよ。」

「俺はお前は心配なんだ。屋上で話ができないか。過去のことや今抱えていること。工藤にも。」

一ノ瀬の言葉をはねのけるような態度だった。八木は強い態度を見せて隠しているのだろうか。八木はコーヒーを飲んで答えた。

「じゃあ屋上で話しましょう。工藤は榛原のところへ行って調べものしてもらってますから。」

屋上へはエレベーターに乗った。外の景色が見えなくている。今の社会と同じものだろうか。いじめがなくならないのは学校がひた隠しにしようとするからだ。そして裁判で裁かれないから何をしてもいいと勘違いを起こしているのだろう。担任も信頼を勝手に失っていることも知らない。エレベーターが軽快な音を鳴らす。八木はベンチに座った。

「で、一さん。話とは?」

「君の抱えているのは何だ。言えないことなのか。」

空は嘲笑うように曇ったり晴れたりを繰り返す。

「俺は八木家の秘密をもっている。親父の行動に疑問をもっている。それはいずれわかることだから放っておいてかまわないですよ。俺たちは親父から見捨てられたんですよ。猛は可愛がられた。」

「それは今につながることだっていうのかい。」

「まぁね。もう俺のことを調べるのはいけないですよ。貴方が狙われるのは見てられないですからね。死んでしまっては見えない景色がありますから。貴方に見てもらいたいです。」

言葉を残していなくてしまった。八木は見せないものが多い。父親と違って明らかにしないものがある。仲間に打ち明けてもかまわないこともある。けれど、闇へといざなってしまっている。1人になることがいいのだろうか。気づいてやれないのが悪いのだろうか。気付こうとしない人々に紛れ込んでしまっている自分が嫌になってしまう。弱者にどうして寄り添わないのだろうか。それほど邪魔な存在なのだろうか。金持ちがため込んでいるのは財産に当たるのだ。誰を守っているのだ。弱者に寄り添わない金持ちよ。

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