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積み重ね

榛原はただ状況の悪化していくのを感じた。兄弟として築いてきたのはあくまでも演技をしていたのだといっているのだから。彼は思った。迎えるのは最悪な結果をもたらすのだろう。彼は観覧車の揺れる音を聞きながら隠れるように電話をかけた。

「もしもし。」

「・・・あぁ、榛原さんどうしたんですか?」

「現場は悪化している。宇佐美史郎がいた週刊誌の社長が来てすべて明かしていくうちに悪いほうに傾いている。助けるはずが突き放しているようにしか思えないのだ。だから、二課や三課の人達に声をかけておいてくれ。もう時間がない。」

榛原にとって圭太がもたらした光を見つけて立て直すことができたのだ。個性の認めることの大切さを感じたのだ。目の前のことばかりを見ていることを知らぬうちに肯定されているみたいだった。いくら仕事を投げ出しそうになりそうになったが、救いになっていた。

「わかりました。声をかけられたら動ける状態にしておきます。俺たちの初心があるんです。かすかすな言葉ではないんですよ。政治家とは違うんですから・・・。」

後輩にあたる人間から返ってくるはずの言葉とは違うものだったが驚くのは違うと思った。政治家の意地は無駄であるのだろう。張り合いのない声はいったいどこに応えを訴えているのだろうか。一定のない言葉は感じることはどうであるだろうか。考えることのできない頭でっかちはただのでくの坊でしかない。素人がいくら玄人のふりをしようとも無駄であるのと同じだ。

「頼むよ。あの人には救いの手があっても逃れようとするのだろうから。逃げるのはきっと嫌なことくらいでいいんだ。あの人は苦しんでいる。声を上げないのは可笑しいんじゃなくて、できなかったんだ。それには弁護士になるという夢に隠されていると思うんだ。」

「そうですよね。短時間でできるだけのことをしてみます。二課や三課は協力的ですから大丈夫ですよ。榛原さんができないと嘆いてくれてありがたかったです。俺たちにもまだできることがあるんです。」

時代が悪いなんてすべてを知ったふりなんて無駄なのだ。憎み、蔑み。それは何を解決するのだろうか。生きにくくしていくのだろうか。嫉妬は認めると協力者になるのだ。それがわからない政治家は同じことを繰り返して生きていくのだろう。過ちを聞くことをしているのだろうか。生意気にしているのは大きくするしかないのだ。弱さを認めることより大きくするのは離れることしかないのだ。無駄が積み重なったまま・・・。

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