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白いキャンパスの汚れ

ギャラリーは信じられないほど緊迫した状態を漂っていた。奥さんの瞳には淡い色の輝きをしていた。電話をもって来た男性は緊迫した空気が耐えられなかったのだろうか。源太郎に聞いていいのかと聞くように言った。

「何かあったんですか?」

「何もありません。いたずら電話でした。最近多いとか聞いてますからね。」

彼のどこか取り繕っているような態度は明らかに不自然だった。男性は首を傾げながら戻しに行った。彼女の温かい空気から逃れることはできないと思った。

「さっきのは圭太君でしょ。このまま講演会をしていいとは思わないんだけど。」

「大丈夫です。圭太から誰からの脅しを真に受けただけですから。大した事はないですから放っておけばいいんです。」

明らかに頭に浮かんでいる言葉を正反対のことを言っているのを感じた。奥さんはソファに静かに座った。問いただすわけでもないのに向かあっているのはどうかととも思っているのだ。

「源太郎君、自分に嘘をつくのはやめて。此処までやってこれたのは圭太君のおかげだってわかっているんでしょ。圭太君に対して不安があるのなら講演会をやめていくべきよ。」

「何言っているんですか?圭太は刑事として動いているのを報告してくれただけですよ。」

彼の行動は嘘に嘘を重ねるしか考えていないのだろうか。もしものときばかりを打ち消しているのだろう。本当にこのまま出るべきなのだろうか。

「源太郎君、もう講演会は打ち切りにするわ。いつでもできるの。けど、人の行動はかえって来ないの。源太郎君が一番知っているんじゃないの。何処まで自分に嘘をつくつもりなの。」

「・・・圭太が死ぬかもしれない。いつもと違ったような声で誤ったんです。俺はどうすればいいんでしょう。」

源太郎の本音を説いた奥さんはドアから出るように指をさした。今すぐ行くべきだと催促しているのだ。もともと恵まれて此処まで来たわけじゃない。才能があると教えてもらって救うべくやっているだけだったのだ。

「行きなさい。行って気が済むまで言って死なないようにしなさい。もう何度も何度も繰り返すのは可笑しいでしょ。」

源太郎はギャラリーを飛び出した。きっちりしたスーツを着込んで履いたことのない革靴をなじまないのを感じているのだ。走り出してみた。一刻と時間を感じるしかない。いつも歩いている道の色が違って見えた。普通、コケるはずのないところでこけた。それでもせめて警視庁へ行って事情を言わないといけないというキャンパスをもって。

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