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本格的な試合の開始

八木は車に乗ったまま、見つめている。一ノ瀬は簡単に暴力団の幹部を打ち負かす姿を見た。運転手に力があったとしても幹部ほどの能力はないのは知っていることなのだ。今更叩きのめすのを拒むだろうと思った。警備のふりをしている暴力団は簡単に沈められた。まるで忘れされた人形のように横たわっていた。

「八木、出なくていいのか?」

「まだだ。黒幕が後ろでほくそ笑んでいる人間がいるんだ。自分がいかに厳しい状況かを知るべきだと思っているから放っておくのが妥当だ。出てもらうのは必須だよ。」

彼の言い方はけだるい感じだった。暇なのかラジオに目をつけて聞いていた。向かいの車の動きがわかった気がした。八木は転んだとしてもただでは起きないことは今の行動だけでわかるような気がするが・・・。あまりにも戻ってこない運転手と警備というのは名ばかりの暴力団の幹部を見に出てきた。1人の刑事にやられている姿を見てぐうの音も出ないような状況であった。山辺と一ノ瀬が話している状況になった。

「君、1人でこんなことをしたことを知ったら捜査一課としていられなくなるよ。それでもいいのかい?君の才能を評価しようと思っていたのに、残念だな。」

無心の言葉は響く効果などない。一ノ瀬はあざ笑うかのような笑みを見せた。余裕を感じさせるほどだ。立場がどんどん悪化しているのを感じるしかない。

「俺のことを知っているふりですか。俺は比較的貴方の動きを欺くのが仕事のようなものですよ。何を評価していたですか。あんたは人殺しのみじめな殺人鬼に過ぎないんですよ。」

「何を言っている!証拠は何処にもないだろう。君が言っているのは空想に過ぎないんだ。」

勝ち誇ったような勘違いした態度に声をかける気すら起きなかった。その言葉が聞こえたのか車の中から3人が出てきた。八木の出方はまるで厄介な敵を楽に倒すことができる勇者のように輝きに満ちていた。

「証拠が何処にもないか。あるじゃん。警視庁という倉庫に。親父に頼み込んで消してもらっているくせに偉そうに金をとっていたなんて感心しないよ。山辺進。」

「私を誰だか知っているのか!現職の総理大臣だぞ!」

「えっ!それだけ?くだらない。振りかざす剣が少ないと子供みたいな言い訳とかするんだろうな。権力に縛り上げられているのは案外自分だということもわからないんだろうな。親父は此処にいないからあることが通用しないことくらい読み取れないのか。かわいそうに・・・。」

同情のない棒読みの言葉をぶつけていた。

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