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試合のゴング

総理官邸についてくるまで待っていた。まだ会期を開くことを言っていないうえに罪を隠すために解散をするといっているのだ。ろくな説明じゃないのだ。言い訳をかき消すための言葉の綾を見た気がした。此処までバカにした総理大臣はいないだろうし、此処まで仕事人内閣と名ばかりのかき消す仕事はないだろう。政権が守るのは自分たちの保護であって人のことなんて興味がないのだ。未来の借金がいくら増えようが関係ないといっているのと同じ言葉を発した。

「山辺は来ますかね?警察が来るとわかっていると此処に来ないですよね。」

「まぁ、知っているのは鑑識と俺たちだけだからな。裏切者がいれば簡単にあぶりだしているよ。嘘を嘘で消すのはできるようでできないものだからな。それと宇佐美のいた週刊誌の記者に隠れて記事にしてもらう予定なんだ。」

週刊誌との関係も正しいだろう。情報を流しているわけではないのだ。週刊誌の記者は隠れ蓑術がうまくないとやっていけないだろうから。そうこうしているうちに一台の黒塗りの車が偉そうに来た。入口をふさぐように止めてあるので自動的に声をかけないとならない状況にしたて挙げたのだ。黒塗りの車から運転手がめんどくさそうに来た。ガラスとトントンとならす。

「どうかしましたか?」

「此処、何処かわかってますか?」

運転手というだけでそこまで偉そうにするのかと思ってしまったが、対応するのは八木であるので勝てる試合ではないのもわからないうちに打ちのめされるだろう。

「えぇ、総理大臣官邸ですよね。けど、もう少し待ってもらえますか?犯人が此処に来るという話を聞いているんです。」

「犯人ですか?それなら車をよけましょうか?」

「いいですよ。気づいて出てきてくれるのを待っているので本人が恥をさらすかを試しているんですよ。そこまでくだらないプライドを主張するのなら逮捕状を突きつけるだけで済むんですよね。どちらでもないんですよね。」

彼の言葉にこたえきれなくなって運転手は退散した。新たに出てきたのは暴力団の更生したふりをしたかぶれだった。

「一さん、一人で行けるでしょう。暴力団に心得を教えてあげてください。」

「わかったよ。2人だけだ。他にいないのは保証済みだからな。」

一ノ瀬は勢いよく飛び出し、苦労が見えない作業をしているようだった。此処で手の内をすべて見せるのは切り札として消えてしまうから見えないようにするのが八木圭太という人間の生き方を表しているのだろう。

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