開会宣言
源太郎と話した翌日、警視庁へといった。すべてにけりをつけるためだ。未解決事件を生み、被害者に仮面の姿を見せる卑劣な奴を成敗するのだ。すべてがうまくいくのは裏がないものだけだ。テレビで演技の謝罪会見をするような政治家に希望も何もない。自らの地雷を踏んだに過ぎないのだ。圭太は鑑識の部屋といった。
「八木さん、此処まで来たので準備をしますか?」
「そうだな。会期が開いてしまうと厄介だからな。今のうちに逃げられない沼にはまった奴を救わずに叩き込むだけだ。」
榛原は裏の意味は分かっていた。警備がいくらついていたとしても税金を捨て育てたのは悪事を働かせる脳だといわれているのだ。姑息で身勝手で人の理解などいらないといっているのと同じ行動をしているのだ。党の理解もないのに強制的な考えは何処か独裁国家にいるようなのだ。
「行くメンツはわかっていると思うが、俺と工藤、一さん、榛原で行く。鑑識の残った奴は他の事件について信憑性を上げるための手段に出てほしい。息子が落ちた分、楽になっている。裁判所も逮捕状を出すといっている。これ以上被害者を出すわけにもいかない。本当に才能がある奴がない奴につぶされるのは可笑しいと思わないか。」
理不尽であるということを訴えているのではない。他の理不尽にしか手を貸そうとしない理解したふりをしたものに罰を与えるのだ。国のトップが犯罪者ということが知れ渡ればいい恥をさらしたことになるのだ。それを止めようとする偽善者の政治家もその仲間の可能性もあるのだ。
「黒幕の裏はいずれも光があったことを証明しよう。それには世間は賛同するはずだ。」
「わかりました。俺たちは情報を八木さん、工藤さん、榛原さん、一ノ瀬さんに渡します。山辺の逃げ場をなくすように頑張ります。」
「頼んだ。鑑識には此処にいる意味を遠くで伝えるんだ。世の中には見えない縁の下の力持ちを評価してもたまにはいいじゃないか。」
工藤は鑑識を信頼しているのだ。捜査一課が落ちこぼれているのを見ながら・・・。八木に出会ってみている世界の違いを感じながら同じ考えをしているを知りながら・・・。
「シビアな世界は何処にでもあるんだ。平気で逃げる政治家を許そうとする緩んだ精神を叩き込んでやらないと一生考えは変わることはない。しがみつくしかできない壁は何時かは崩壊するのだ。つかんでいる壁は緩くもろくつかむこともままならないようなものであることを見せてやるんだ。」
八木の言い方は何かの開会宣言のように響いた。




