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反乱の時

八木と工藤は車で待つしかなかった。山辺彰浩というつかみどころのないものを捕まえるのは難題であるのはわかっていたのだ。ただ、すべてそろっているため任意であってもすぐに返すことは不可能なのだ。何処まで捕まえることができないものがあるのだろう。

「此処までくると山辺彰浩を捕まえるのは無理があるんじゃないのか?」

「いいや、テレビに出てまで警察に生きているといいたいのだからどこかで目論見が破綻することを止めようとは思わないのだろうから。」

八木はのんきにコーヒーを飲んだ。豪華なゲートにバイクで覆面のような男がいた。八木は待っていたかのように車から降りた。おじけづいたような歩き方ではなく待っていたかのようなルンルンな歩き方だった。

「貴方、山辺彰浩でしょう。誰でも構わないけど任意で同行してくれる?それか逮捕状が出てからがいい?」

「いえ、行きます。親父にはばれても捕まって殺されることもないですから。向こうですべて話します。」

彰浩は戸惑うことなく乗り込んだ。父親に殺されることは気づいていたのかもしれない。救出という名の逮捕だと思った。警視庁につくとすべて話したため、逮捕状は簡単に出た。流れは予想通りといえそうだった。父親の力で除外することなどマスコミに勝てるはずがないのだ。マスコミが好む話だと理解もできていないだろう。

「どうして彰浩は此処まで言うことを聞いてくれたんですかね。」

「榛原には謎かもしれないな。息子ならわかるはずだよ。父親が殺人鬼であると知り、自分も殺人を犯している。証拠を消すために殺されることも感づいていると思っている。」

自販機コーナーでため息をつく榛原を見た。疲れがたまっているようだ。沢山の事件の分析とかかわっているんだ。疲れているだろう。

「いずれ殺されると知っておきながら生きるのもつらいな。俺にはできない。逆に自殺することも考えそうだな。」

「自殺も父親にとっては得ですから決断しなかったんですね。完全に息子にはめられたと思うでしょうね。近くに裏切りものがいるとは想定していなかったでしょうから。」

苦くも甘く感じるコーヒーは世の中に似ているのかもしれない。何処かで助けを求めてもがくのもいいことだろうに。空は日を増すごとに変化は鋭い。時代も真実に向けて迫ってくるのと同じように。逃げられる道はすべて茨であることもあり得るのだ。終わりなき旅であるのは何処も同じであるのだ。理不尽は何処かで破綻をするのだ。

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