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鱗が・・・

鑑識に来た政治家の裏をかくことを意識せずに山辺彰浩の居場所を探るのは至難の技だと思っている。

「山辺さんとは関係が深いのですか?」

「いいや。親父の会社が倒産しかけたのを山辺の親父さんに助けてもらったんだ。そのとき、すでに政治家だったから顔が広かったこともあってね。けど、結局親父の会社は倒産して借金抱えて。それをするために偽りの恩を売ってきたとしか今となってはそうだとしか思えなくて。俺は政治家になるつもりもなかったけどある意味ならざる終えなかったんだよ。こんなものだよ。へたれな人生って。」

ここにくる政治家は有無を言う前に決まっていたのかもしれない。いずれ野党にばれても捨て駒の所為にできるように用意していたのだ。榛原はけだるい気持ちで聞くしかなかった。人を安易に動かすやつには損得しか考えられないような真理を持っているのだと。

「それじゃあいっそのこと反逆してみませんか?どうせ政治家であっても誇りを感じていないのなら。」

工藤は意味深な笑みを浮かべながら政治家に言った。その笑顔は怖いと感じてしまうほどなのだ。

「そんなことをしたら政治家をやめざる負えない状況になるに決まってる。そしたら山辺さんは見捨てるはずだ。」

「いまさら考えたってわかるのは貴方は間違いなく捨て駒に過ぎないということだけですよ。それをいまさら恐れたら死んだ人間の命はどうなるんですか?報われないどころか国に殺されたも同然です。国は国民のためといううたい文句はつぶやくくせに余計なことばかりするじゃないんですか。」

工藤の手は強く強くこぶしを作っていた。無謀だと思っている戦法もいずれ聞くと思いながら・・・。榛原は隣で様子を見ていた。一ノ瀬もここに加わるのだから最強だと思いながら・・・。政治家は顔を下に向けてうめき声を上げた。それはどこかに開放を求めているようでもあった。

「言います。彰浩君は山辺家にある自宅の倉庫に住んでいます。生活雑貨もそろえていたので。けど、進さんに殺されている可能性も少ないなくないです。」

「榛原、取ったか。」

「はい。鑑識の数名をそれに当ててくれ。俺たちは黒幕の展開を待たないとわからないことだからね。」

政治家は言い終わった後、立てないほどへばりこんでいた。いずれ見捨てられると確信しながらも奉公していたのかと思うと残虐だと思った。山辺は自分たちの恩を利用した悪質な会社と変わらないと思った。

「貴方は政治家をやめればいい。山辺にしかれたレールなんて軟弱なものだったんだ。貴方は再出発を考えてるんですよ。とってくれる会社を探せば出てきますよ。なんせ人が足りないといっているのですから。けど、プライドを見せるのは負けですよ。それは過去のことで改めて学ばないといけないことだって世の中あふれているんですから。」

工藤の木漏れ日のような言葉に政治家は顔を隠した。それが本当の姿だと思った。レールなんていずれは崩壊するのだ。最建築をするのに費用がかかるのは当然だ。それを惜しんだところで何が変わることができるのだろうか。

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