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偽りのページ

店主と小声でしゃべる必要がないが念のために話していた。店主は心よく答えてくれるのがうれしかった。

「貴方も大変だな。政治家や内部の悪さに圧力をかけられるんだから。」

「今は良いですよ。上もいないですし、政治家なんて大したことをしないから聞かないようにしているんです。楽ですよ。」

「そうならいいことだ。遠慮なくできるんだから。まぁ、遠慮なんてないんだ。」

繁盛している店では興味がわかないだろう。店主が横を向いている八木の手を軽くたたいた。

「まだ話したいことあるのならうちの店でしゃべろう。それなら周りを気にすることはないだろう。」

「でも・・・。」

「俺は応援するぜ。こんなに正義感の強い人を見捨てるのは性には合わないからな。此処の代金驕るよ。」

彼の言葉に驚いて伝票を取った。人からそんなことをされた経験がなかったのだ。対応の仕方がわからなかった。

「遠慮する必要はないよ。それに貴方の事を知るとわかるのかもしれないな。」

食事が終わった後、店主が金を払ってくれた。外の景色を見つめていた。曇り空に生えるように木々の緑が輝いていた。吹っ切れた顔をした店主を見た。

「ご馳走様です。」

深々と頭を下げた。店主は驚いて、手を顔の前で何度も何度も揺らした。

「そう硬くなるな。最初に会ったばかりじゃない。こんなことをして人に恩を売っておくのも悪くないと思っただけだよ。」

「こんなこと、初めてで対応がよくわからなかったんです。」

「そうか。かまわないよ。」

八木は少し話した後、タクシーを止めた。店主に対する感謝の表現を探していた。彼の店を訪れるのは2度目だけど新しい店を訪れたように気持ちだった。店内に入ると店主はエプロンを付けた。

「エリア情報システムは俺にとっては稼ぎをするために選んだ場所だった。その頃から大手になるのではと噂されていたからな。」

「噂が本当だったということは会社の人間が関わっているようだと考えることが妥当ですね。」

店主は簡単な料理を次々にカウンターを置いていた。つまむつもりで箸を2膳置いた。

「政治家ってのは自分が関わったとなったら歯切れの悪い言い訳しか考えないのだからな。金なんかやる必要がないじゃないのか。無駄金として消えてくのだから。環境が違うのにわかるみたいな言い方は嘘だね。分かるはずがねぇよ。贅沢しかしてないんだから。同じ環境になって初めてわかるなんて言葉が言えるんだ。」

「誠実のかけらもないですものね。薄汚れた世界が綺麗だと思って幻想に陥っているとしか評価できないですよ。」

2人の会話は愚痴でしかなかった。つぶやいたとしても理解されないだろう。


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