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何のため、誰のため

警視庁に戻るってこれたという妙な安心感を抱えた。一ノ瀬は工藤を探すも見つからなかった。鑑識に行ってみると喫茶店のようにくつろいでいた。

「一ノ瀬さん、どうでした?」

「工藤のいった通りだ。八木は八木幸助に殺されかけたことを黙っていると思っている。千尋さんの事件を調べていて喧嘩をしていたらしい。そのあとの出来事だ。言わないと決めたのかもしれない。」

コーヒーを飲みながら聞いている工藤は関心があるのかないのかわからなかった。相棒の事だ。心配じゃないとは言えないのだろう。

「病院のカルテまではみようとはしなかったんですか?」

「あぁ、昔住んでいたアパートの大家に会ったからそこから話の矛盾を探しただけだからな。」

彼の表情は悲しみに帯びていた。嘘をついて相手を守ろうとしたのだ。それを感じ取ったのだろう。法を違反してまで嘘をついてまでしがみついているのとは別ものだ。比べる価値もないだろう。法なんてあったものではない。違反して謝って済むのなら警察なんていらない。言葉は消えることはないのだ。口先だけの撤回は何もしていないのだ。一生残る後世に伝えるおごりしかない人たちのうわべの言葉の数々。

「源太郎さん、結構後悔しているみたいだ。お前なんて生まれてくるべきじゃなかったって言ってね。」

「誰でもそんなこと言ったら後悔しますよ。政治家みたいな素人のくせに知ったかですべてやっていこう見たいな考えをもっていなければですよ。その地位にしがみついてもいつかは外れるというのにですよ。最低な集団です。」

気持ちの入った言葉に口を出すのなんて場違いな空気が流れた。強い気持ちがあれば進めるのだろう。悪事も同じなのならくだらない。後悔の色を漂わせるだけなんて簡単だ。感情なんてものがいらないのだろう。書面で書かれたこと、言葉の重さを感じながら言わないと繰り返されるばかりだ。人を傷つけておいてのうのうと金をむさぼりとるのだ。人の怒りを自ら買っているようにしかないだろう。

「正義という言葉が存在するのなら撤回とか言葉だけで終わらせることに疑問を持ったないといけないだろう。謝罪で腰も折る事すらできないらしいし、この調子じゃ辞任をさせることもないだろうな。嘘つき集団らしい行動としか言えない。」

「なんの感情もないんです。作業を行えばそれで終わると漂わせたこと自体が罪深いです。上がおごれば下も同じことをすることもわかっていないんですよ。何を政治しているんですかね。」

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