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モラルを知らない

「これくらいでいいかしら。」

頬から流れる雫を流しているままにしていた。彼女は話していないことがあるのだ。一ノ瀬は問いかけた。

「圭太さんは誰かに刺されたといわなかったんですか?」

「そうよ。きっと幸助っていう親父面した奴だと思うの。あの子は真実を追っていたから狙われるのも覚悟の上だったのよ。」

テレビに映る政治家には覚悟というものはあるのだろうか。人を小ばかにして偉そうにモラルなんてものが感じられないことを発するのだ。それが誠実だというのなら本当の誠実とはどう言うものを言うのだろうか。

「まだその覚悟があるとしたら何を起こしそうだと思いますか?」

「考えたくないけど、自殺よ。正真正銘の自殺よ。それだったら人から有無を言われることはないから・・・。」

窓の景色は明るいが暗い雲が覆っていた。晴れることはないのだろうか。不正を良しと判断するうえが消えない限りは・・・。

「私は政治家も警察も嫌いなの。けど、圭太君に関わっている人ならいいの。事実を追う人を圧力で消すなんてくるっているのよ。知るべきことを知らせないなんておかしいのよ。」

「そうですよね。人間不信とかになりますよね。俺は罰は負うべき人間が追わないと思ってます。」

何を正論ぶった口調ででまかせを民衆に聞かす。説明責任を果たしていないのだ。行動といっていることが矛盾しだしたら疑うのはおかしくないだろう。

「きれいごとばかり吐き出してもいつか嘘は嘘として顔を出してくるの。ばれないなんてことはないのよ。誠意もない政治家は穢れた金に欲を出しているの。他人が働いた金だから雑に行動ができるの。改めるための法を作りなおすことが必要よ。」

震えた声に混ざって決意が見えた。権力に浮かれる奴よりよっぽどいいものをもっているだろう。周りからちやほやされて浮かれて生きてきた奴とは別だろう。

「きれいごとは自分を彩るための行為に過ぎないですね。それをきっと知っていたんでしょうね。」

彼女は一枚の絵をもって来た。普通の紙に書かれてあった絵は何処か見覚えがあると錯覚してしまうのだ。

「源太郎君が書いた絵なの。これで何かわからないかしら。心理とか精神とかそうものじゃないはずだろうけど・・・。貴方になら受け取ってもらいたいの。」

「わかりました。預かります。」

その一言を言うと彼女の目は沈んでいたのから光を取り戻したように輝きだした。一ノ瀬は安心してアパートを出た。過去にはきっと忘れられないものがあるだろう。権力が導いたのはモラルを忘れることなのだろうか。

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