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始まりの過去

それからどれくらいたったのだろうか。2人は相変わらずどこか頼りなかった。何時も通りしているように思った。圭太は放課後、直にアルバイトに向かうのにその日はアパートに戻っていた。せかせかしているようだった。

「今日、アルバイトがあるんじゃないの?」

「特別。なんか呼び出されたんだ。兄貴には言わないでくれよ。迷惑になるから。」

「まさか、まだ調べているの?」

悪気のない顔でそのことが本当にいけないことか言うような顔で眺めてきた。ブレザーには沢山の数知れないしわがあった。

「調べてないよ。俺は弁護士になるんだ。その勉強を今のうちにやっておけば後々使えるかもしれないだろう。だから。じゃあおばさん、内緒にしてよ。」

いつもと同じように映った。これ以上聞いてはいけないと思った。アパートにはごみがおかれていた。何時もの人が日にちを間違えたのだろうと思ってアパートに戻ると黒のスーツを着た男が2人の家のインターホンを押していた。訪ねようとしたときに玄関が招くように開いた。事件に関係することではないとホットしていた。それからどれくらいたったかわからないがその男がどこかへ逃げるように去っていた。それから遅れて源太郎がアパートに来た。

「源太郎君、どうしたの?まだあるんじゃないの?」

「圭太が、あいつが気になって・・・。電話してみたらバイト先にも来てないといっていたから。俺の事はどうにかなるさ。けど・・・。」

急いで玄関を開ける。リビングに進んでいくと違和感を覚えてしまうほどの沈黙であった。その人はいないと告げているようだった。

「圭太。圭太。」

キッチンのところで倒れているのを見つけたのは皮肉にも兄の源太郎だった。まるで自殺を犯したのを謝っているようであった。

「どうしよう。」

「どうしようも何も救急車を呼びなさい。いくら喧嘩をしていたからといって見殺しにしてはいけないよ。」

「わかってる。」

源太郎は冷静に見せかけているように思った。心の中では地震で揺れているのだろうか。とまるかわからないと思っているのだろう。

「圭太は俺が守らないといけなかったんだ。それができなかった。兄貴失格だよ。」

暗い部屋でつぶやいているのを聞くことしかできなかった。それが最後の兄弟として支えあうことを見せていたのだろうか。

「源太郎君、そう気を落とさないで!きっと大丈夫だから。そうでしょう?」

「そうですね。圭太は助かりますよね。」

源太郎の言葉は確かめるようでもあった。


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