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言い訳と真実

圭太はビールを飲みながら源太郎が書いている絵をまじまじ見た。普段から多くの作品を見ているのを知っているだろう。

「兄貴、絵のタッチが変わったな。何処か違うな。前は力強い感じがしたけど、今は優しいな。」

「お前は何処かの評論家か。それくらいの絵を見る力が付いたということか。」

彼は苦笑いした。絵をかきながらビールは飲めないのに、テレビをつけて書くのはできるというどこか不思議に思ってしまう。ダイニングテーブルに筆をおいた。

「個展開催の話は噂でも持ち上がるんだよ。仲間も浮かれる奴もいるんだけど、結果来ないとか判断されていたりするから浮かれてはだめなんだよな。」

「画家も大変だな。スランプとかあるだろう。抜け出せないままやめてしまう人だっていたっておかしくないんだよな。世に認められるのがすべてとは思わないけどな。」

「お前だけだよ。そんなことを言ってくれるのは。俺みたいに絵の売り上げがいいとちやほやされてると思って金をとろうとする奴もいるんだ。俺にとって最高のファンは圭太。お前だよ。」

彼の目は輝いている。輝きを伝えるかのように照れ臭そうに言った。圭太は照れ臭くて顔が見れなかった。認められたいともがくのもいいことであろう。けど、規模が違ってしまうと勘違いを起こしてしまうのだ。

「あの言葉を言われてから何年たつんだろうな。時代も変わってしまうけど、変わらないことでどこかあるはずだよな。」

「いいことならいいさ。ただ悪いことなら断ち切って欲しいんだよな。今の警視庁は崩壊するな。親父の完全な失態としか言えないけどな。」

テレビを見ながら会話をした。缶がテーブルの上に増えていくのが源太郎にとっては小さな喜びだった。普通は違うことに喜びを持つだろうが、過去が変えてしまったのだ。

「政治家を評価できないよ。此処にあるたいていの空き家がギャラリーなんだからな。画家の卵がこの地域にあふれかえっているんだよ。行き場を亡くしているのに援助もしてくれないんだ。最初だけだよ。威勢がいいのは。町の活性化のために画家を取り込もうとしているのはあったのに無駄な税金を吐き出しているだけだ。政治家の税金逃れの家ばかりが建っているだけだよ。」

「権力におぼれているんだ。言っていることとやっていることが破綻し始めたら終わりだよ。逃げるとか責任を押し付けるとかし始めるんだ。人として多くの事が終わってるよ。もう信用なんて言葉は戯言だよな。」

心からの言葉は上から見ている人には伝わる事はないだろう。ほくそ笑むことしかできないのだから。

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