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終わらない時計

工藤は捜査一課でパソコンを動かしていた。八木とは何時からこの関係になったのを忘れかけていた。最初は口を聞いてくれなくて意味のなく落胆していたというのに。頼まれたら動くのが仕事のように思えた。

「工藤、調べているのか?」

「えぇ。俺の家と会社の土地を調べろって言われたんですよ。一ノ瀬さんは聞きました?店があった土地が国のものになっているというのを。」

「聞いてたから親戚に聞いたんだ。財産放棄したことがないし、する理由がない。裏で働いた奴がいるということだ。こんな話は表になる事はないだろう。警察や国の不祥事のほうが面白いからな。」

一ノ瀬は八木が座るように座らず少しけだるそうに座った。捜査一課は動いていないのをわかっているのだ。

「どうです?変化はありますか?」

「他の奴は興味ないみたいだよ。上司の不正にも興味を示さない。自分の起こしたことじゃないとダメだとさ。狂っているよ。この件で警察の地位は地へ落ちたというのにな。・・・」

慕っていたフリなのだろう。利益があれば近づくが、利益がなくなれば関係ないように立ち去っていくのはあまりにも無責任なのだ。下で従ったのだからそれなりの責任が付きまとっているはずなのに・・・。

「そうだ。話変わるけど、聞いたか?」

「なんです?」

「八木圭太を捜査一課長にするとかいう噂。」

出世であるのだ。相棒として喜ばしいことなのだが、答えをわかっているから無表情で答えた。

「そうですか。あいつが捜査一課長ですか。普通なら喜びそうな話ですけどね。」

「上も決まってないのに捜査一課長を先に決めるのはどうかと思っているけど、穢れた職にはいたくないよな。けがれた世界を見せたのは親父だっていうんだから希望もないよな。」

「あいつは警察に入ったら交番で制服警官でよかったんですよ。きっと・・・。けど、未解決事件のために刑事へと上がってきた。真相のほうに興味があっただけですから、上の話に興味を示すことはなかったんでしょうけどね。」

実力を認めたのだろう。誰もが無視をした才能を今更認めたのだ。遅いのだ。散々、脅してきたのに突然謝ってきたのと同然の仕打ちをしているのだ。帳消しにしてくれと黙っておいてくれといっているようだった。

「受けないでしょうね。辞めるかなと少しは覚悟しているんです。いてくれるとありがたいんですけどね。もしやめるといったら一ノ瀬さん、相棒になってくれませんか?」

「答えるのはまた今度にするよ。だってまだ終わってない。」

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