高価なもの
警視庁から見る景色は良い風景だとは思わなかった。事件が起こらなければ動かないのでは遅いとつくづく思ってしまう。八木は不快な気持ちを抱えたまま、自販機コーナーへといった。ジーとなる音が心地よく感じた。
「八木、今はなせるか?」
「えぇ。内容にもよりますけど。」
一ノ瀬はあれからコーヒーを2本買って手渡した。ベンチに座った。
「芸能人みたいなこというなよ。今は質の悪い人達だっているんだ。売名行為しようと企んでその上好感度なんてね。嘘をついた奴に甘くしていた結果だよ。罰があとでついてくるのはあるんだろうけどな。目の先しか考えてないとできないんだってさ。週刊誌の記者が話していたよ。」
「そうでしょうね。そうじゃないと人の人生狂わしてまでするなんて言う迷惑できないですからね。それでいて人の所為にする人だっているんですから。責任のかけらなんてないんでしょうね。それで話とは?」
一ノ瀬が忘れてたようにコーヒーをテーブルに置いた。隠していたファイルを出した。
「阿部登の現場で異様なものがおいてあったのに気付いたんだ。榛原がな。それ調べたら高価なものである事がわかってな。」
写真には安易には買うことができないアクセサリーがあった。その写真にはケースに入ったようでもなかった。汚れていても気にしない人物が此処に訪れたのだ。
「阿部は黛と会ったことはあっても自宅までくるでしょうか?」
「まぁ、秘書候補であったから来たのか。内部告発の事も関係するのかもしれないな。訴えられたら困るからな。政治家と暴力団と精通しているだなんて知られたら潰すことになってしまうからな。それが見つかったからもっかい防犯カメラで写ってないか調べ直しだよ。」
「死角が存在するからどうなるか分かりませんね。」
防犯カメラは多くのところからもらってきている。うっすらとわかってきたのならDNAを調べたいと思ってしまう。警察を寄せ付けようとはしないだろう。沢山の手はあるはずだ。
「宇佐美がいた週刊誌の電話番号ってわかりますか?」
「わかるよ。今や重要な情報をもらうところだからな。必要か?」
「はい。考えた計画では必ずかかると思います。髪の毛にはDNAがある。アクセサリーにも皮膚辺があると思います。それを利用してこちらとの対話をさせるんです。」
警察に会うということをしない人には任意で引っ張るのにも少しは限界があるだろう。だからにおわすだけでもつられるのではないかと考えたのだ。本当にやったことが分かったのなら口止めをするだろうと。




