消えぬ星
圭太は落ち着く場所で寝ていた。絵が乱雑に置かれているのがむしろ落ち着くのだと思った。スーツではなく私服を着てリビングへといった。源太郎は朝食を作っていた。
「おはよう。」
「今日も仕事なんだろう。大変だな。」
トーストを焼くだけという簡単なものであるがとても家にいるように思えてくる。源太郎も座りコーヒーを一口飲んだ。
「警察はどうだ?居心地がいいかい。」
「良くないよ。なりたくないものをなったんだ。親父は源太郎さんのことがあってとても厳しくて動きづらい。何時か見返すために充電をしてるんだ。」
「そうか。じゃあ鏡東映について調べておく。連絡するから事件解決にやれよ。」
画家になった源太郎を羨ましく思っているのも知っているだろう。だから早く自由になれといっているのだと思う。八木家を表すのに呪われているといってしまう。硬い紐で縛り付けるのは一体何の意味を含んでいるのだろうか。
「源太郎さんも創作頑張って。」
朝食を食べて笑顔で見送ってくれる彼を眺めて。エリア情報システムに行った。上司を呼んでもらったが大した話をしなかった。阿部は気持ちを閉じ込めていた分絵に愛情を注いだのかもしれない。信頼できないところに居座るのが嫌だったのだろう。工藤は疑問を持った。
「どうしてここに入社をすることを選んだんだ。他の選択肢をもっているはずだろう。」
「家族だよ。きっとつながっている人がいるために入ったんじゃないか。自分の意志を裏切ってまで。すごい人だよな。本当にやりたいことをするために黙って辞めたんじゃないのか。」
社長に会うのは止そうと2人とも思った。話が流れるのは嫌だからだ。一方通行で進める捜査一課ではない。捜査一課にいながら別の考えを持つ大切な場所なのだと。
「一ノ瀬さんの事件も止められている。上の人が欲しいのはきっとどこかにある出世だよ。迷宮入りさせた事件は沢山あるんだろうな。」
「あるさ。俺は知っている。資料室に行こう。そしたら答えがあるから。この事件も必要なものがあるから見に行こう。」
車に乗っていった。阿部が守りたいのはきっと自分の気持ちだった。表面だけでいい恰好する会社を見ていられなかった。2人と似ているのだろう。手柄に興味を持たない。被害者が抱えたものを見つけるほうがいいと。
「榛原勝に適当に調べて貰っているから明日にでも結果を見に行こう。」
榛原も唯一ではないが捜査一課といっても離れてしまっている2人に真剣に付き合ってくれる。鑑識はそうだった。




