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桜の季節は恋の入学式

作者: はますけ

私は、恋をしたい!

今まで恋と言った恋をしたことがない……

だから今日! 高校の入学式がある今日!

私、山野 真奈美は素敵な男性を見つけて恋をします!


「真奈美ー!朝よー!今日は入学式なのよ!起きなさぁーーい! 」


下からお母さんの声がする。


(んんー…まだ眠いなぁー)


ゆっくり起き上がってお母さんに答える。


「わかったー。今起きたぁー…」


よし!そうだ!今日は入学式だ!素敵な男性を見つけて素敵な恋をするんだぁー。

えへへ。妄想が膨らむぅー。ダメダメ!今日はシャキッとしないと!


いそいそと制服に着替えて真奈美は下に降りる。


「おはよぉー。お母さん!ねぇねぇどう?制服似合う? 」


お母さんは、足から頭までジーと見た後、


「うん。似合ってる。さすが私の娘だわぁー」


「でしょでしょ!えへへ。照れるなぁー」


「そんな事はいいの。早くご飯食べて学校に行きなさい」


「はぁーい」


私は、朝ご飯を沢山食べて家を出た。




学校に着いて直ぐにクラス分けの表を見た。


「えーと私のクラスは……」


真奈美の名前は一年一組だった。


「私のクラスは一組かー。よし直ぐに行こう〜」


ガラガラガラ


「私の席はここか」


後ろから肩をトントンと叩かれた。私はビクッとしたけど、平然を装って後ろも向いた。


「やっほー。私は、和坂 恵美だよ。席も前と後ろだし、仲良くしようね! 」


「うん!よろしくね!私は山野真奈美です!え〜と…和坂さん?」


「恵美でいいよー」


「うんよろしく!恵美! 」


「よろしく真奈美」




私が準備をしていたら後ろの恵美が興奮気味で声をかけてきた。


「真奈美!真奈美!あの人すごいカッコよくない? 」


「え?誰ー?」


「今入ってきた人!」


私は入り口の方を見る。


(本当だ。凄いカッコいい)


そんな話をしていたら担任らしき人が入ってきた。


「はぁーい皆さん!席について下さーい。」


「私はこのクラスの担任になりました!

真鍋 佳代子です。よろしくお願いします」


それからは入学式とか自己紹介とか色々あった。あのかっこいい人の名前は青嶋 大輝って事しか分からないまま高校初日は終わった。




「はぁー疲れたなぁ〜」


私は帰り道をゆっくりと帰っている。


「ねぇーそこのお姉ちゃんー!可愛いねぇ。

俺らと今からカラオケ行かね? 」


(なにこいつら。嫌だ。気持ちわる!)


「ねぇー行こうよぉ〜」


そう言いながら私の腕を掴んでくる。

必死に振り解こうとするけど男の力には敵わない。


「やめてっ! いやっ!」


「うぉっ!なんだお前!」


「え?何?」


そこには話しかけてきた男を打ちのめした青嶋大輝がいた。


「おい。大丈夫か? 」


「えっ!あっうん。ありがとうございます」


「お前気をつけろよ。顔可愛いんだからよ」


「えっ!可愛いとかそんな!冗談言うなー!」


バシッ!


「痛い痛い。叩く事ねぇだろ!助けてやったのに」


「それとこれとは話が別! 助けてくれたことには礼を言うけど!」


「まぁまあ家まで送ってやっからそれでチャラな?」


「えっ……家まではちょっと…」


青嶋大輝は、少し困ったような顔した後、


「とりあえず襲われねぇように気をつけろよな! じゃあな! 」


彼はそう言って走っていった。


これが私と初恋の相手、青嶋大輝との初めての会話でした。




「えぇーー!昨日帰った後そんな事があったのー!」


「しーーー!声が大きい! まぁ襲ってきた人達は退治してくれたし結果オーライなんだけどぉ」


「顔が可愛いって言うなんて彼も大胆だねー」


「そんな事ないと思うけどー」


彼の方をチラッと見たけど寝てたし、気にはしてないよね?




「お腹空いたぁー。お昼ご飯買いに行こう」


売店に近づくと何だか騒がしい。何だろうと思って除いたら昨日の彼が騒いでた。


「頼むよ!明日財布持ってくっから!明日払うから頼む!」


「ダメなもんはダメだよ!ほら早く後ろに下がんな!」


トボトボと帰ってくる彼を見て少し可哀想になった。


(はぁー。しょうがない。昨日の借りもあるし奢ってやるか)


「こんにちは青嶋くん。昨日のお礼もあるしなんか奢ろうか?」


「へっ?あっ!昨日の女!お前ここの生徒だったのか!」


「制服見りゃわかるでしょ!」


「まぁそれはいい!奢ってくれるって本当か?」


そんな期待の目で見られたら断れないじゃんね。


「うんいいよ。ただし一個ね」


「わかった!じゃあラーメン頼む!」


「はいはい」


私はそう言ってラーメンとパンを買った。


「はいラーメン」


「ありごとう!恩にきるよ」


「どういたしまして」


「なぁお前さそんな可愛いのに彼氏できた事ないんか?」


「ないよ。好きな人もできた事がないの」


「ふぅーん」


彼はご馳走様と言ってどこかに行ってしまった。




それ以来彼とは結構話すようになった。その頃からだと思う。自分が、私真奈美が、青嶋大輝の事を好きだった気づいたのは。





「おはよう恵美」


「おはよう真奈美。どう?最近彼との調子はー?」


「変な言い方しないの。付き合ってもないんだから」


「そーだねー。」


なんか気にくわない終わり方をして私は席を立った。


「山野ーーー!」


「えっ?なに?」


外から自分を呼ぶ声がした。

窓の外を見る。そこには青嶋大輝が立っていた。


「今からー!お前に恋の入学式をさせてやる!」


「はぁ?意味わかんない!」


「いいから!降りてこい!」


私は急いで下に降りた。




「よし来たか」


「来たかじゃないわよ!何よこれは?」


「恋をした事ない真奈美の入学式だ」


「えっ?」


「真奈美好きだ。俺はお前が好きだ。俺がお前の初恋相手になってやる。だから俺と付き合え!」


彼は自信満々にそう言った。冗談かと思ったけど目は真剣だった。


「青嶋君は馬鹿ですか?もうあんたは、青嶋大輝はとっくに私の初恋相手だよ」


私は少し下を向きながら答えた。


「それはOKって事でいいんだよな?よっしゃー!恋に入学おめでとう真奈美。これからも俺が恋についてたくさん教えてやる!」


「うん!ありがとう大輝」



これが私の初恋。馬鹿で何も考えてない大輝を好きになった私の春の恋の入学式です。





好評だったら、その後のストーリーをまた短編であげたいと思います。

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