12.エッセイを書こう
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エッセイ、随筆と言ったりもします。僕の場合は『少年哲学』がその最たる例です。小難しい内容と一風変わった書き方がされているとたまに言われますが、基本的にエッセイも小説と同じように書きます。
前提として、エッセイの中の主人公は常に自分自身です。勿論、一人称の書き方です。会話なんてそうめったに出るものではありません。
エッセイの中心は、自分の考えを書くことです。自分を見つめ直すという意味では、小説よりも難しい書物だと言えるかもしれません。しかし、気負いながら書くものでもありません。慣れれば、心に思ったことをつらつらと書けるようになりますよ。
まず、エッセイの構成ですが、僕の場合は最初に結論を持ってきて、その考えた根拠や詳しい内容を書き、最後に「最初の結論」を言い換えた結論を出しています。読み物というのは、なるべく同じ言い回しを使わないように書くのが必須なので、試行錯誤しながら異なった書き方で結論を書いています。
国語の教科書を読めば、いくつかいいエッセイが見つかると思います。構成も、似たり寄ったりのものでしょう。文体は個人の書き方ですが、軸だけ見極めれば、あとは自分の考えを引き出すだけです。
逆に言えば、エッセイというものは、考えを持たないと何も書けません。
「あれはこうだと思う」
「あれはどうなんだろう」
「あれはそうあるべきだ」
と、疑問でも指摘でも、考えを持ってないと筆は進みません。無理矢理にでっち上げることも勿論可能ですが、そこまでしてエッセイを書く必要は全くもってありません。むしろエッセイを書こうと考える時間を、小説を書く方にあてる方がいいですよ。
ただし、宿題や課題で書け、と言われ、何も書けないときは仕方ないものです。正直、僕としては「まず考えろ、思考しろ、熟考しろ」と言いたいものですが、それでは具体的な解決策にはなってませんよね。
ここから先は、考えも浮かばず、ネタもない時のエッセイの書き方になります。
エッセイは、ある種、読書感想文の延長ともとれます。読書感想文は本について書きますが、エッセイは自分の考えについて書きます。
読書感想文と違うのは、自由に対象を選べること、つまり自らテーマを作れることです。創作者側ならそこで色々と浮かぶかもしれませんが、読者側などはそういかない人が多々いると思います。
そういう時は、何でもいいので本やネットで何かを調べてみて下さい。出来れば、ジャンルは問いませんので、何かの問題が望ましい。興味のないことは無視して、目にとまったものだけを見て、それを踏まえてまずは考えます。
そしてある程度その問いの答えが自分なりに出せたら、今度は「どうしてこうなったのか」、「どうして自分はこう思ったのか」と掘り下げていきます。
しかし、先述した通りエッセイとは気ままに書くものなので、そう気負いながら書くものではありません(文体を崩していいという意味ではないですよ)。
むしろ、書き終わったところで読み返し、「あ、俺はこの問題をこう思ってるんだ」と、自分を理解するのに役立てば、それは成功していると思います。
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