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 妖かし   作者: 三日月
7/39

亡き者からのメッセージ

今回の物語は友達のヒントで

書き上げた物です。


”幽霊から手紙が着たら驚くよね?”

この一言がヒントとなりました(笑)

作者の体験談ゎまーまだまだ。先となります。




ー僕がいけないんだ。あの時会う約束なんてしたから…だから香川は事故で…ー







恭祐達はというと数日続いたテストが終わり、帰り支度をしていた。成実がタケシと二人で恭祐の所までやってきた。





『どうよ?テスト?』

『…まぁまぁ…かな…』

『何だ恭祐…珍しく弱気だな?』

『色々あってさ…今回は悪いかも知れないんだ…』

『へぇ…大丈夫だ俺もタケシも悪いぞ』

『何だからしくないな?』






その時、矢井田が出入り口から話かけてきた。

招いていたので恭祐は矢井田のもとへ行く。





『あ…宮澤!わた羊は元気か?』

『あ…はい。二匹で毎日遊んでます』




『なぁ、タケシ?最近の矢井田さ…おかしくない?』

『俺も思った。やたら女らしくなったよな?』

『そーいや五組の奴に訊いたんだけど、矢井田…住田に告られたらしいぜ?』

『嘘?!男みたいな女が好みって事?!』

『だよな?きっと住田の告白で調子に乗ってるじゃないか?』

『なのかな?』






タケシと成実は二人から離れてコソコソと噂をしていた。







『それじゃ、明日も元気に学校へ来るように』

『はい』




此方の二人も話を終わらせ矢井田は職員室へ向かった。





『なぁ、恭祐!最近の矢井田何か変じゃないか?』

『まぁ、優しくなったよな』

『それだけじゃないだろ!』

『え?』

『やけに女らしさがあるんだって!』







成実にそう謂われると、彼も”確かに”と思った。あの日、鬼を封印してからの矢井田はどこかおかしい…。

新しく霊が憑いたせいか?と思っていた。







『住田と何かあったのか…だよな?』

『それしか考えられないよな?』






その時隣のクラスの女子が廊下で話しをしていた。訊き手の女子は”嘘よ”だとか”そんな事有り得ない”ともめている様子だった。

タケシは何の話をしているのか気になり女子達へ近づいた。






『何話してるの?小坂?』

『あのね、一年生女の子何だけど事故で亡くした友達からメールが届くんだって』

『はぁ?有り得ないでしょう?幽霊からメールがあるなんて』

『だって私、見せて貰ったんだもん!』

『どうせ嘘だって』

『ほら、あんた、騙されてるのよ』

『ええー』


『メールがどうしたの?』




タケシの後ろから恭祐がやってきた。

先程の内容をタケシから訊いた。




『それ…本当?』

『えー!きょんちゃんまでぇ…』





小坂という女子は唇を尖らせた。





『なぁ、タケシ?幽霊って居るの?』

『いや、俺に訊かれても…』

『居るし、居ない』

『何だそれ恭祐…』

『ねぇー!なんでそう思うのぉ?』

『それは…』

『それに、毎日深夜零時に届くって…。確か内容は”どうして約束したの?”って』

『メールだけ…なんでしょ?』

『え?』

『…そっか!宮澤君の謂うとおりよ!』

『…あ…私、訊いてみる』

『うん』

(それに…さっきから俺を見てる男子の霊がそう謂ってるし…早めに止めさせた方が良いだろう。でないと成仏出来ないだろうし)







彼の名前は香川敦史。一年生だった。

メールの話を広める女子の友達だった男子生徒。待ちあわせの場所へ向かう途中工事現場で鉄筋の下敷きになり、命を落としてしまった…。


運が悪かったと謂えばそれまでだ。彼は友達をこれっぽっちも恨んでなどいない。






『…俺も付き合うか?』

『へっ?!…あ…えと……うん…』

『あんた…まさか…』

『はっ!馬鹿っ!それ以上謂わないでよっ!早く…行きましょう!』

『…うん』




『馬鹿力ぁ…』

『大丈夫?』

『今のは大丈夫じゃないだろ…思いっきり入ったぞ…』





恭祐は背中を思いっきりやられた女子を気にしながら、彼女の後に続いた。成実とタケシは介抱しながらも恭祐を門の前て待つことにした。






『しかし…あいつも鈍いよなぁ…』

『え?何が?』

『タケシ君オケツに針でも突っ込んであげようか?』

『何でそーなるかなぁ…?』







『ところできょんちゃん…』

『うん?』

『卒業したら大学へ行くの?』

『いや…父さんの会社で働くんだ』

『…そっか…』

『うん』

『てっきり大学へ行くのかと思ってた。あ…あの子よ』







彼女が指差す所を見るとポニーテールの女の子が居た。友達と一緒だったのか手を振っている。

声をかけると柔らかい表情で此方に振り向いた。







『先輩!どうしたんですか?…もしかして…此方彼氏さんですか?』

『ち…違うわよ!此方ら隣のクラスの宮澤恭祐君』

『…初めまして、僕桜田時江です』

『初めまして』

『宮澤先輩って確か女の子を助けた方ですよね?凄い有名ですよ?!』

『あはは…』

(まだ噂されてるんだ…)

『ねぇ、時ちゃん昨日話してくれた…友達の事…何だけど…』







彼女がそう切り出した途端、先程のテンションは何処へやら…。桜田時江は目を足元へ落とした。







『その事…ですか…昨日…じゃなくて今日も”彼からメールが”…来てました』

『…ごめん小坂…少しこの子と二人で話をしてもいいか?』

『…?構わないけど…』

『悪い…待っててくれ』







そう謂うと二人は誰もいなくなった教室へ入っていった。桜田の席は窓際の前から二番目だった。桜田は自分の席へ着き、恭祐は手摺りへ身体を預けた。







『実は…小坂から話を実は訊いたんだけどんだ。何か悩んでるらしかったから…』

『そうですか…』

『”本当に彼からのメール”なのかい?』

『はい…』

『初めて会ったばかりで謂うのも何だけど”嘘”は止めた方がいい。敦史君が悲しんでるよ』

『どうして…名前を?僕、彼の名前は口にしたことなんてありません!会った事があるんですか?』

『無いよ。けど、”今日会った”』

『そんなの嘘です!』

『…何て謂えばいいかな?あの事故から視える様になってしまってね…』

『…お見通し…何ですね…』

『メールだけらしいし…』






桜田は机の上に置かれた自分の手に視線を落とした。彼の視線から逃れるためだ。







『淋しくて…つい…』

『二台目の携帯を買って、アドレスをつくった…?』

『…はい』

『もう、止めるかい?』

『はい』

『良い子だ』

『…ぅ…』

『怒っていないから』







どうしてこの先輩は優しくしてくれるの?

本当なら白い目で見てくるはず…。

どうして僕の頭を優しく撫でてくれるの?








『大丈夫』

『はい…』

「一つだけ伝えてもらっても良いですか?」






恭祐は静かに頷いた。

桜田は俯いたままだ。






「君を悪く思った事は無いって…」







そう謂い残すと敦史は消えた。

二人は暫くの間無言のままだった。







『…そのまま訊いてくれるかい?…敦史君が”君を悪く思った事は無い”…そう謂っていたよ』

『…は…あ…有り難う…』







彼女は泣いた。

桜田が落ち着くまでじっとしていた。


教室から出ると小坂は何も訊かなかった。




もし、本当に亡き者からメールがあったとしたら、それはあの世からのメッセージなのだろう。”此処は良いところだよ”だとか…。だが幽霊は今こうしている間も生きている人と同じ様に歩き、辺りを見ている。


勿論、悩みだってある。悪戯だってする。

テレビで観る霊なんて決して居ない。亡くなった者達を怒らせるだけだ。


三人はシューズボックスの所まで出て来たその時。







『先輩…あのー宮澤先輩の事…す…す…好きになっちゃいましたっ!』

『…え?』

『…嘘…私の前で告白…?!』





『おーい!恭祐まだかよー!』

『あ、今行く!…有り難う』






彼は桜田の頭を再度撫でるとタケシと成実が待つ場所まで走って行った。

二人は校舎から出た。





『駄目よ彼は告白慣れしてないんだから』

『きゃっ!貴子!もう…居るなら謂ってよぉ』

『貴子先輩!訊いてたんですか?!』

『バッチリ!あんな大きな声出せば…』

『えーっ!僕恥ずかしいですよぉ!』

『私の前ならいいの?!』

『そうじゃないですけど…』

『んで、宮澤君のどこに惹かれたの?』

『…判りません…うまく謂えないんですけど…その…。あっ!僕決めました!宮澤先輩のファンクラブ作ります!僕が会長です!』

『あんた…どんどんズレてきてるわよ?』

『小坂先輩がNo.一!貴子先輩がNo.二!』

『私達もはいってるの?!』

『……えのきファンクラブ…』

『はい!』

『『真顔で謂うなっ!』』





貴子と小坂先輩はハモリながら抗議した。

こうして宮澤ファンクラブが出来上がった。翌日一年生のクラスで成実、タケシ、恭祐の話題でもちきりだった。


校内という事もあり、教員の耳にも入る。

鈴木の耳にも入り矢井田と話していた。





『確かにあいつに惚れる女は居ますよ』

『あれ?その謂い方、矢井田先生も彼を気にしてる謂い方ですか?駄目ですよ?生徒との恋愛は?』

『シバきますよ?』

『まぁまぁ、冗談ですよ。あ、忘れるところでした。その宮澤君が今日は欠席だそうですよ』

『あいつが?』

『テストでしかさたからきっと疲れが出たんでしょう?私の授業中も咳してましたし』

『そうですか…判りました』

『では、これで』

『はい』






その頃恭祐はベットの中でうずくまっていた。






『あー…頭が痛い…ゲホゲホ…』

(二匹共寝ててくれて良かった…)





その時冴がドアをノックし、入ってきた。






『薬、持ってきたわよ?お昼は辛くても温めて食べるのよ?ピョンちゃんとメーちゃんの分もあるから』

『…うん…判った』

『それじゃ母さん行くからね』

『行ってらっさい…』






テストが終わってホッとしたのか初めてダウンした。鬼退治で疲れたのか?とも思ったりもした。一日休めば少しは良くなるだろう…そう思いながら眠りに入った。







『あら?恭祐…珍しく休みなんだな?』

『最近疲れてる感じだったしな?』

『確かに、…あいつ、何やってんだ?』

『なるちゃん、学校終わったら…』

『行きますか?』

『行っちゃいますか!』

『行きましょう!』






そんなやりとりをしていた成実と、タケシを恵と貴子が見ていた。







『朝から何話してるかと思えば…』

『”珍しく”思いやりの話だったわね?』

『うん』

『って川野はあんたの彼氏でしょ!』

『何よー!もう!』

『でも宮澤君が居ないだけであの2人静かね?』

『そうでも無いみたいよ?』

『え?』






貴子が恵が見る方を見ると、二人は矢井田にちょっかいをだしていた。そう。”女らしくなった矢井田”に…。






『やかましいーっ!』

『あれー?!いつもの先生だぁぁっ!!』

『”女らしさ”は?!』

『何ぶつぶつ謂っているっ!早く席へ着け!』

『全然代わってねぇーっ!!』





『はっくしゅんっ!…はぁ…』











こんな感じに仕上げてみました。

ただ…今月中主人公達の卒業は間に合いそうにありません…。

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