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 妖かし   作者: 三日月
28/39

霊たちの集まる場所 中編

お待たせしました。

中編です。短いですがどうぞ(TT)

二人が大浴場へ行っている間に

全て片付けようと決めた恭祐とタケシ。

恭祐は腕を組ながら部屋全体を見回し邪魔になる霊達が居るか探っている。





『特に厄介な奴等は居ない様だな…けど、外に浮游している数体が気になるなぁ…』


『大丈夫だろう?俺にピヨ吉も居るんだから』


『解ってないなぁ…邪魔をされたら成仏させるのに厄介なんだぞ?勇だってそれなりに力を使うと数日は何も出来なくなるんだから…慎重にやらないと…』


(短時間で出来るか不安だけど…奈留達に怖い思いをさせたくない…)


「時間が無いんだろう?やるだけの事をやってくれ…すまない…」



『そうピヨっ!お兄ちゃん!やるだけの事をやるピヨっ!』


『そうだな』

『何からやればいい?』


『まず、施錠だな。見られたくないし』

『はいよ。そいじゃ鍵かけてくるわ』







タケシはそう謂うと真っ直ぐ扉の方へ向かい、鍵をかけた。

恭祐は先程開けた窓やカーテンを閉める。最後はポケットから小さく畳んだ白い紙を開き、その中心に畠山登に立ってもらう。


そして、彼を囲むように立つ。

恭祐、タケシ、人の姿になった勇。

手を繋ぐと目を閉じる。




淡い光が部屋を覆う。

畠山登が温かな光に包まれ顔をあげた…。




ガタガタガタガタ…ッ!




部屋全体が激しく揺れだした。

成仏を妨げようと外で浮游している霊達が集まって来た。



恭祐が心配していた事が起きてしまった。しかし、広げられた用紙で立っている所までは入られる事はない。


光が守ってくれている。



しかし、そんな事は余所に集まった霊達は彼等を取り囲んでいる。

中には、助けを訴える霊、この儀式を止めようとする霊でごった返している。



廊下で見た霊達も居る。






恭祐達は目を開く事なく

成仏の儀式に集中するだけ…。

何がなんでも開いてはいけない。


目を開けようならこの畠山登は悪霊と化してしまう。そうなったら手につけられなくなるだろう。





壁はドンドンと叩く音や、金具を引っ掻く音、床を這うような音も鳴り響いている。外の方は入れない霊も居るのか、首を吊った状態の影がある。





数十分。


何事もなく畠山登は成仏された。

しかし、ここからが本番だ。

入ってきてしまった霊達をお祓いしなければならない。


儀式を終えた恭祐とタケシは目を開けた。勇は雛の姿へ戻る。






『マジかよ…こんなに…』

『祓うのに手こずるな』


『お前そんなあっさり…』

『お兄ちゃんは慣れてるピヨ』


『お前も…しかし…この紙が無かったら俺達どうなってたんだ?』


『憑依されていたか…その窓から落ちてただろうな。此処から出るなよ?』

『…お、おう…』





タケシは大体の事は恭祐と勇から訊いていたこともあり、慌てなくても済んだ。

勇の力を使えば部屋事除霊出来るが、それは避けたい。





二人は再度目を閉じ、除霊の態勢にはいった。恭祐の目は紅色となる。

本気モードになった恭祐は右手を伸ばし中年男性の額を掴むと一気に消した…。



綺麗な泡の光となり天へ逝った…。

悪霊ではない者はこうして消えるが悪霊なら黒い煙りとなる…。






「足ぃ…足が…足をぉぉ…」





下半身のない青紫の肌をした霊が一体タケシの方へ這い寄ってきた…。彼はその霊に気づくと、小さく悲鳴をあげた。

両目が無く中が見えた為だ。



戦争の時の者ではない。

恐らく不発弾で腰から下を無くしてしまいそのまま生き絶えた者だ。






「足…をぉ…」



『悪いっ!』





タケシは恭祐から貰った札でその霊に貼りつけ除霊をした…。

戦争を怨んでいたのか物凄く濃い黒煙となった…。咄嗟に勇がもう一枚小さな身体で貼ると、苦しくもがきながら消えていった…。





『数が多いピヨっ!それに怨みが強い奴もいっぱいピヨっ!』


『駄目だろう?ピヨ吉は変化するなって。今ので判った!恭祐っ!この札飛ばす事、俺にも出来るか?!』


『判らない…それはやってみないと…ッ!』


『お兄ちゃんも一か八かでやったピヨっ!やってみるピヨっ!』


『判った!』






霊でごった返していた部屋はいつの間にか半分以下に減りつつあった…。

しかし、勇が謂う通り怨みの強い霊達は簡単にいかずにいた。





『このままだと戻って来ちゃうか…タケシそっちは何体残ってる?』





二人は背中合わせだ。

勇は恭祐の肩に乗り窓の外を見ている。

何か居る。




『こっちは三代。そっちは?』

『五体』





計八体。

そして、外の影を合わせると九体。






「憎い…何故私は殺された…」



『殺された?』





恭祐は目の前の女の話に耳を傾けた…。






「あんた達が除霊した者達はこの部屋で殺された…」


『さっき成仏した畠山さんもこの部屋…』


「この部屋は曰く付きなのよ…あぁ…何故私まで…」


『すまない…詳しく教えてくれないか?曰く付きってどういう事なんだ…?』






恭祐は残った霊達へ質問を投げかけた。

教えてくれるとは限らないが訊いてみる価値はあると思った。


すると奥で睨むような目をした男が口を開いた。






「良いでしょう。何故俺達がこうして怨み、憎んでいるか…お前等も例外ではないしな」


『例外じゃない?』





タケシも疑問に思ったのか男が居る方へ

耳を傾けた。







「男女でこの部屋へ泊まった者達は殺人を犯す。何故か知らぬが四百から四九九までの宿泊客は必ずこの部屋へ通される。しかし、一人や同姓の場合は何も起こらない…。日本人が嫌う数字…」




『けど、俺達…』





タケシが反論しようとしたが、恭祐はそれを止めた。

男は不気味な笑みを彼等に向けている。



『俺達は確かにこの部屋の宿泊客だ…もし、四という数字が関わっているなら…』





「お前達も四のつく数字の客って事だ。恭祐とか謂ったな?俺達をどうにかしてもこの部屋を何とかしない限り、死者は出る。必ず」


『嘘だろ…』



「何だ?顔が青いぞ?お前はタケシだったな?ビビってる様だ」


『き、恭祐…』


『この階全て…そして特にこの部屋は危ないって事だ…恐らく此処まで案内してくれたあの人も全て知っていたんだ…あの人だけ…』




「逃げるか?」


『いや、俺はこの階全てを祓う。自分がどうなろうと…』



「何故むきになる?」



『投げ出す事は好きじゃない。其れ丈だよ…』


『俺も…』


『タケシは無理して俺に付き合うことないさ』


『嫌だね。お前が転校してきてからずっと一緒だろうよ?お前一人…背負うことないだろ?こ、こえーけど…』


『サンキュウ』






「話はもうどうでもいいっ!私は幸せで居たかっただけなのにっ!彼と幸せになりたかっただけなのにっ!」



「おっと、彼女暴走しかけているね?どうする?」





男は他人事の様に腕を組ながら

二人を笑った…。







つまらなくてすみません…。

オリジナルは難しいですね

出来れば体験した事をちょっと作りたいのですが…

最近専らで…。。。



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