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ファイト?

闘争こそ我が人生って人も居るけど

争いは基本的に人生には欠かせないけど要りませんよね?

さて一郎がバテストの世界に来て今日で1週間・・・

ひたすら力と能力そして魔法の制御をしつつ

下級精霊と日々戯れていた。


「はぁ・・・

このまま精霊達と日向ぼっこしながら戯れて暮らすのも慣れてしまいましたね。

そろそろ敷地の外にも興味が湧いてきてるのですが、

この世界は危険な獣や魔物も居るのでしたね・・・

ずっとここで精霊達と戯れてるのも良いかな?

のんびりと和むし精霊達も人懐っこくて可愛いし・・・」


『なにやら当初の目的も忘れて引きこもり宣言かえ?

と言っても我の見た感じではそろそろ

敷地の外の世界も見て学んで欲しいのじゃが・・・

力や能力の制御も出来ておるしな、

やはり魔力を込めた手で我を撫でる権利を与えたのが

制御を覚える早道だったのかもしれんのう』


昼過ぎにやって来て一郎の膝の上で尻尾をパタパタとさせて

撫でられながら言っても威厳も説得力も無いが・・・


「いえ、初日の終わり頃には、すでに精霊達と戯れながら出来てましたけど・・・」


どうやら「撫で」は関係無いようだ・・・



『大体一郎は本当に異世界人かえ?

そんなあっさりと制御も応用も覚えよって・・・

予想の遥か上の水準で早く覚えよって、まぁ予想以上なのは良い事なんじゃが・・・

ただ一郎は攻撃魔法はアレ以外は使えなんだのう・・・

本能的になにかを傷つける事にを頭のどこかで禁忌に感じておるのかもな・・・

まぁ一郎の防御魔法は中級神でも破れまいて、

それに死んでさえ無ければ、ほぼ全快まで持っていける回復もある意味脅威じゃしな、

屍人族アンデット」なぞ回復魔法で即死するレベルじゃし、

空間魔法の「切断カット」と「防御シール」もある意味反則じゃしな・・・』


「私は元々基本的に防御が出来れば争わずに去るか捕縛するのが信条ですから・・・

性格的にも祖父に習わさせられた合気道は合ってましたね。

この世界の獣や魔物に通用するかどうかは別にしても・・・

その辺はどんな感じだったでしょうか?」


『向こうの世界では上級神扱いで、

こっちでは下級ながらも創造神である我をポンポン投げ飛ばしておいて

通用するかしないかなどイヤミかぇ?

変に優しく投げ飛ばすから、身体は痛くない分

尚更、心が痛くて精神的に死にそうじゃったわい!』


どうやらなにか思う所があったのかも?・・・一郎恐るべし。

と言っても実際当身とかが入れられず

なんとか必死に投げ返してるのが精一杯だった様だ・・・

後半はムキになったバテストが、

当たったら洒落にならない様な攻撃を繰り出して来たので

一郎も無表情ではあったが、内心冷や汗の必死だったのが真実である・・・



『さてそろそろ敷地の外「帰らずの精霊の森」に出かけてみようではないかの?』


と散歩にでも気軽に行く様に誘って来るのだが・・・


「なんですかその物騒な名前の森は?あからさまに迷子になりそうですよ」


まったくその通りなのだが、

実はこの森は近くの精霊が立ち寄ると居心地が良いのかまったく帰ろうとしない為、

「帰らずの精霊の森」と呼ばれてるのであって、

実際下級の魔物や獣もいれば精霊は下級から上級位の者まで居る

緑が深い恵み豊かな森であるが、その反面・・・

精霊以外では害意を持ってこの森に入ると精霊のいたずらにあい迷子になったあげく、

精霊の罠に引っかかったりして森の外に追い出されたりするだけだったりする。

ちなみに精霊のいたずらがひどくて「森人族エルフ」でさえこの森には住めなかったりする・・・


「なにか精霊達の聖地みたいな場所なんですね?

そんな場所に私が居て大丈夫なのでしょうか?

精霊達の邪魔になる様でしたらここを引き払わなければなりませんね」


言うやいなや一郎に光の洪水がおしよせる。


『その心配は無さそうじゃぞ?

一郎が引き払うなどと言うから身体中にびっしりと精霊達が張り付いて来ておるではないか?

下級精霊は自我は弱く薄くとも本能はするどいからのぅ、

心配せずとも安心してこの森の「迷い家」で隠者として暮らし、

迷い人や冒険者達に知恵と文化を伝えてくれれば良い』



なんのかんので敷地を出て「迷い家」の正面口から南に進んでると、

やはりあちこちから精霊達が一郎に寄ってくるのであった。

森自体は精霊群とも言える精霊達に守られている為、正直とても広く、

面積だけで四国の半分くらいあるのである。


北に「竜人族ドラゴニュート」の住む標高の高い山脈があり

麓には「山小人族ドワーフ」や「森小人族ホビット」等が住み、

西には砂漠とオアシスと草原の商業国等があり

普人族ヒューマン」をはじめ色んな人種が居るらしい。

東は平野と湖や小さな森(と言っても東京の新宿区くらいの広さ)の点在する

森人族エルフ」や「獣人族ビースター」などが王国をいくつか築いてるらしい。

そして今向かってる南には大きな湾に面した海岸線と湾岸都市と海上都市群があり

こちらも「海人族フィッシャー」や色々な人種が住んでるらしい。


また「普人族ヒューマン」はどの地域にも普通に居るので「普通人族」とも呼ばれるらしい。

そしてその他の大陸も似たりよったりで今居る大陸の周りに存在する。

ただ例外的に南の極点の南極大陸だけは無人で魔物や動植物も少ないらしい。



しばらく南下しつつ進んでいくとなにか「索敵サーチ」の魔法に引っかかる物が反応した。


「なにかこの先に居ますね、意思は感じられないので動物か魔物ですかね?

精霊の反応でもありませんしね、バテスト様どうしましょうか?」


『まぁ今の一郎が怪我するとは思わんが一応「防御シール」だけはしておくがよかろう、

今の我は本体じゃなく分身体じゃし

「迷い家」の外で世界に我が直接手をだすと

色々世界に不具合が生じるから助言しかせぬぞ?

戦うなり捕縛するなり逃げるなり一郎の判断でするが良い』


一郎に丸投げであった・・・いきなりハードコースである。

ちなみに本体は今も「迷い家」の縁側でゴロゴロしていたりする・・・


「とりあえず「防御シール」で観察してみましょうか「防御」をかけておけば、

いつでも逃げれますしね。攻撃は最終手段と言う方針で・・・」



そのまま進んで行くと、どうやら野生の熊らしき獣に、

いかにも魔物と言う風情の巨大な蟷螂の群れが対立している様だった。

どうやら熊らしき獣は親子でしとめた獲物を食事中に襲われたみたいだ。

獲物の食べてる最中の血の匂いとかに魔物っぽい蟷螂が群れで襲ったっぽいと

一郎は判断してバテストに聞いてみる事にした。


『うむ、たしかにクマは獣で蟷螂は魔物じゃ、

出来れば魔物は見つけたらどんどん駆除して欲しいのじゃ

魔物は放っておくと獣や人等を襲い魔獣や魔人を発生させる事もあるし、

魔物や魔獣・魔人はこの世界の陰の魔素の塊なのじゃ、

最終的に巨大な陰の魔素の塊になると極稀に極低確率ではあるが、

魔王族デーモン」が発生する場合もあるのじゃ』


「なぜその様な「魔王族もの」まで創造するのですか?

とりあえず熊?親子は助けますよ、「障壁ウォール」!」


一郎の空間魔法「障壁ウォール」で熊?親子周辺を囲い、

蟷螂の群れから保護すると共に自らその場に躍り出て蟷螂達の注意を引くのであった。

ついでにバテストにもちゃっかり「防御シール」をかけているのが一郎らしい。

蟷螂達は突然新たに現れた獲物に驚きつつも躊躇無く攻撃を仕掛けて来た。

もっとも強化された一郎の、

意識を集中した視界の中では、

かなりスローモーな動きに見えていた。

そして一郎は間近で魔物の禍々しい気配と容姿を観察するのであった、

真っ赤な巨大な目を持ち、

全高4メートル程で、全長6メートル近い身体に2メートル近い大きな鎌、

そして青っぽい緑がかった青銅で出来ている様な硬質そうな外骨格である。

どうやら鎌を振るう時に風魔法が発生してカマイタチっぽい攻撃が打ち出せる様だ、

もっとも一郎の「防御シール」にはまったく歯が立たない様だが。


「命を摘み取る事に今ひとつ覚悟は出来てはいないが、

より多くの命を守る為です。

申し訳無いが害悪となるモノは世界と言う枠組みでは排除させてもらいますよ・・・

切断カット」・・・」


熊?親子と自分達を範囲に入れない様に空間を横一文字に切断し、

蟷螂の魔物だけを一瞬で倒した。

倒れた魔物達は崩れ落ちてその場で黒い結晶となってその姿を消した様だ。

黒い結晶は「魔素結晶」と呼ばれこの世界では燃料や色々な物の素材とされるらしい。


『一郎よ「魔物」は命ある者ではなく、

命が世界に発生した時に出来る歪みの様なもので

定期的に僧族(僧侶の貴族)などが祈祷を捧げる事で浄化されるモノなのじゃよ本来は・・・

ところが最近の僧族は生臭坊主ばかりでのぅ・・・

浄化し切れずに年々増える傾向なのじゃよ。

世界に命が発生する限り陰の魔素は無くならん。

命無きゆえに人や獣の命を奪う習性があるのじゃよ。

陰の魔素は凝固して魔物化してしまうと祈祷や祈りでは浄化出来ぬしな、

浄化出来れば無害な魔素結晶になるが魔物が「魔王族デーモン」になると

魔素結晶が肥大し殺戮衝動を持つ吸生生命になってしまうのじゃ、

しかも反生命意識体として知恵までそなえたな・・・

創造神といえど全てが全て、完全には無から有は創れぬ、

創れた様に見えてもどこかで歪みが出来てしまうものなのじゃ』


「命を持たないモノですか・・・

それでも余り気持ちの良いものじゃありませんね、

魔物になる前に浄化できなければ、

倒す事でしか浄化出来ないのはどこか業の深い様な気もしますね・・・」


どことなく疑問は残るが無事に熊?親子を助けれた事を

素直に喜ぶべきなのだろうと一郎は思い。

じゃれてくる熊?親子を見て気持ちを改め素直に助けれて良かったと思う事にした。

そうしてこの世界に来て初めての戦いは終わったのだった。
















切断カット」イメージは刀を使わないで

任意の範囲で出来る斬〇剣・・・

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