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異邦人?

マイペースはある意味最強ですよね?

相変わらず深い霧の中、悪い視界の為、

足元や周りを注意しながら黙々と歩いていると

前方に何か建築物っぽい影が見えて来たのであった。



「ようやく学校に着きましたか・・・

しかしさすがにこの時間では遅刻ですね」

彼は呟くと少し歩みを早めるのであった。



「さて?島にこんな建物があったでしょうか?

本格的に迷子の様ですね・・・」


どうやら彼は島中の話題を独占するのに成功した事を自覚すると、

見た目には、わからないが、がっくりと項垂れるのであった・・・

なにやら立派な武家屋敷っぽい家であったが

素直に道がわからないので武家屋敷の家人にでも道を訪ねようと

そのまま屋敷に入って行ってしまった。



「すみませんがどなたか居られますか?

恥ずかしい話ですが道に迷いまして道を訪ねたいのですが」


屋敷の門を抜けて玄関らしき所の前で声を掛けるが・・・

返事が無いみたいだ。

留守なのかと玄関の扉に手をかければ開いてしまったのでもう一度声をかけてみる事にしたのだった。



「すみません玄関が開いていた様なので

直接お聞きしますがどなたか居られますか?」


すると後ろからおどろいた様な声をかけられたのであった。


「おや?誰ぞ参られたのかな?

こんなトコに迷い込んで来るとは珍しい・・・」


なにやら時代がかった様なしゃべりの外人らしき人が居た。

しかし時代がかっているが流暢な日本語をしゃべる外人の様だ。


「すみません玄関が開いてたみたいだったもので・・・

突然ですがここは島のどこら辺になるのでしょうか?恥ずかしい話道に迷いまして・・・」


「いえいえ構いませんよ。今丁度庭に出てましたので・・

して島とは?ココは「迷い家」と言いましてね、

ココに来られたと言う事はあなたはさしずめ「迷い人」なのでしょう」


「迷い家?って心霊怪奇現象のアノ「迷い家」ですか?

神隠しとか言われてる?」


「ほほぅ現状を突然言われても落ち着いてますね。

そうですよアノ「迷い家」ですよ」


心霊怪奇現象もかたなしのマイペースであった・・・



「まぁ落ち着いておられるなら話は早い。

今回の神隠しはちょっと特別でしてね・・・」


「特別とおっしゃられると?」


「実は「迷い家」を別の世界に今回作ってしまおうと

我らの上のかたがおっしゃられてね。

なんでもその別世界のかたの世界が文化的に成長をしないので

「迷い家っぽい」モノが欲しい。

そして間接的にこちらの文化技術を広めて欲しいって話になってたのですよ」


「そうなんですか大変ですね。

ところでそろそろお暇したいのですがどうやって帰ればよろしいのでしょうか?」


彼はイヤな予感がするので早めに逃げようとしたのであったが・・・

迷い家の主の外人はにこやかに・・・


「帰れませんよ基本この世界の迷い家は一方通行で

「迷い家」に入ると出られませんから

斯く言う私もこの「迷い家」に来て300年くらい経ちますからね」


どうやら手遅れだった様だ。


「そんな気がしてました・・・

しかし300年近くもココで暮らしていたんですか?

失礼ですがそのわりにはまだ40歳前後に見えますが?」


「切り替えが早いですね・・・まぁ良いですが・・・

「迷い家」に入ると年齢を取らないばかりか

持ち物の劣化とかも起きない様ですよ。

それに時々神様がいらっしゃいますので孤独もあんまり感じないですね

元々「迷い家」は時代の善行者や偉人の保護の為の

神様達の世界を保護する絡繰らしいですので

聞いた話では源義経様と弁慶様も別の「迷い家」に居られるらしいですよ」


いきなりメジャーなビッグネームが出たのに

驚いたみたいだが相変わらずの無表情であった。


「しかし私はただの無神論者ですしただの教師なのですが?」


「「迷い家」に来られたのですから

きっと将来偉大な教職者になって居たのかもしれませんね。

私などは元はポルトガルのただの商人だったのですから。」


「それと基本帰れないのなら応用とかで帰れる方法があるのでは?」


「それは純粋な心を持つ幼い子供とかが

神様が現世にお帰しになるのですよ。

「迷い家」を取りまとめている「迷い家の神」とでも言う様な神様がおられますしね」


『うむ。そのとうりじゃそして我がその神なんじゃがそろそろ良いかの?』


なにやら古風な和服を来た女性がいつの間にか後ろに立っていた。




「はぁ大体説明はして頂きましたが貴方様が「迷い家の神」様ですか?

お名前は存じませんが私は〇〇島で小中学校で教師をしております。

真田一郎さなだ・いちろうと申します。」


『あぁ我は上級神ではないので名前は無いが、

まぁただの神で良いのじゃしかしあんまり驚かんのじゃのう?

肝が太いと言うか、呑気なのか、ずぶといのか、たいしたものじゃ』


「とりあえず我が家にでもどうぞ立ち話もなんですので」


『うむ。マルコよスマンのぅ一郎も上がるが良い

そなたの話でもあるしのぅ』


ようやく彼の名前も出たが外人さんは「マルコ」某さんと言う名前らしい。



『さてマルコにも聞いたじゃろうが

今回の神隠しは我等の意思で持って行われたものじゃ

それについては我も一郎には謝罪しか出来ぬ、誠にすまなかった。』


応接間らしき部屋につくなり、

いきなり神様に頭を下げられて彼も表面はともかく内心では慌まくっていた。


「いいえ謝罪はよろしいのですが

本当に帰る事は出来ないのでしょうか?

なに分、今日は無断欠勤になってしまってるみたいですし・・・

学校の校長先生や生徒達が心配して無ければよろしいのですが・・・」


相変わらずマイペースな一郎であった・・・


『うむ、やはり振れぬのぅ・・

現世では島中で警察や学校関係者での、

捜索が始まろうとしておるみたいじゃな。

さっきも言った様に帰す事は出来ぬ、

本当に申し訳ないのぅ・・・すまぬがとりあえずは

、我等の言い訳では無いのじゃが、話だけでも聞いては貰えぬかな?』


「はぁとりあえず疑問の解消は必然ですね。お話お願いします。」



どうやら間接的に文化が欲しいのは、

この世界の下位世界の別世界で、剣と魔法と亜人と魔物が居る、

別世界の創造神様らしい。(もっともこっちの世界では上級神らしいが・・・)

その世界では魔法文化がそこそこ発展しているのだが、

魔法特権主義の様になってしまい、

その為かその世界では、ほぼ貴族階級の人だけが魔法を使えるのだが、

貴族の権力保持の為に一般市民等に魔法が、

殆ど普及せず貴族・僧族(聖職者で宗教関係者の貴族らしい)

しかほぼ魔法が使えない。


そのクセ、貴族達が平民が知恵をつけるのを嫌い

学校とかも魔法関係は貴族専門だったりするので、

平民は寺子屋みたいな所で

四則計算や文字の読み書きの最低生活レベルであるらしい。

おかげで魔法関係の文化も平民の文化も、

こちらの世界の中世の初期前後レベルの文化で、

すでに2000年近く止まってしまってるらしい。


おまけに魔物も頻繁に出るし、野生の危険な獣も多い為、

このままでは逆に、世界レベルで文化レベルもだんだん下がりつつあるのが現状だと言う事だ。

それでこの世界より善良な理性ある

有識者を送り込んで直接もしくは、

間接的にでも文化を発展させてもらおうと言う計画らしい。

一応一郎も学生時代には人並みにRPGゲームを嗜んだり

ファンタジー小説も読んだ事があるので理解は早く出来たが・・・

平和で魔法や魔物に縁の無いある意味平和ボケの日本人に

そんな言葉や文字や文化の違う

世界で生きて行けるのかは甚だ疑問にも思えた。


「申し訳無いですが・・・

そんなにその世界の文化って必要なんですかね?

いずれは発展するにしろ滅ぶにしろそれが自然の摂理なのでは?

言ってはなんですが神様がそんな世界のひとつにだけ注意して手を貸すのはある意味反則なのでは?」


とりあえず一郎はまずは生きて行けるか以前の疑問を聞いて見る事にした。









ちょっと振り向いてみたサブタイトル

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