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会議室にて

「特殊問題対策室」その組織はそう呼ばれていた。

国の直轄機関であり他の省庁から完全に独立した、独立組織。

約200人からなるこの組織に課せられているのは『特殊問題』の調査および対処である。


もっとも、『特別問題』などというあいまいな表現は、表向きの名目であるが故であって本来の目的は『外』からの『客人』を追い払うことにある。


もちろん『外』や『客人』もあくまでも符号にすぎない。だが、符号であらわされるイメージと実際に彼らがかかわる問題とでは天と地ほどの差がある。


「・・・以上の諸問題により政府は実働部隊の派遣を我々に要請しております。」

広い会議室に集まる50人ほどの人々の前で説明を終えた男は、名を『レミナス』という。

これもまた符号である。


「相変わらず、この時期は多くくるな『客人』が。しかし、この程度の数なら我々、実働部隊が出なくても十分に対処可能だと思うが?」

疑問形で質問を終えた男は『タダシ』という。

実働部隊の指揮官である。


「ええ、確かにこの程度の数なら我々が介入せずとも、防衛軍だけで対応可能なはずです。ところが、今回は少しわけが違うのです。」レミナスは手元のコントローラーを操作し、スクリーンに衛星映像を映し出す。


「この映像は、先週の土曜の『来客』の出現ポイントを映したものです。見ての通り、たくさんの『客人』たちが映っておりますが、問題はそこではありません。」ルミナスは映像の一部を精密に拡大させた。

「これをご覧ください。」『客人』たちの前方2メートルほど離れたところに『騎士』がいた。

まさに、それは『騎士』という言葉以外では説明不可能なくらい完璧な騎士の姿をしていた。


「こりゃあ、参ったね。久々の『案内人』の登場だ。こりゃあ難しいぞ。」そう言う『タダシ』は、どこか楽しげだ。


「タダシ殿の言うとおりで、厄介なのはこの『案内人』です。すでに確保に向かった陸防の一個中隊が『案内人』によって全滅しています。政府は国防軍だけでの対処は被害の拡大を招くだけと判断したようです。」たしかに一個中隊200人を一挙に失ったのだからそのインパクトは大きいだろう。

しかも、その被害は1人の『案内人』によって、もたらされたものである。


「なるほどね、そいうことならうちらが出るしかないな。こっちの実働部隊全部出して対処する。」

『タダシ』はわきに控える部下に命令を伝え、みずからも向かおうと腰を上げた。そこでふと思い出したように聞いた。


「こんかい、久々ぶりに『案内人』が来たってことは、例の奴らが何かやらかしたってことかい。」

ルミナスはうなずく「ええ、間違いないでしょう。」

「まったく。これだからこういうのは面倒くせえ。まあ、これが仕事だからしかたはないんだがな。」

ルミナスの言葉に『タダシ』はため息をついた。



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