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赤いリボン
みんなボロボロだった。
いつも、どこかで視界の端にいたはずの存在が、あの時から見当たらない。
それだけで、何故かポッカリと穴が空いたように、空気が沈んでいた。
「アタシはこのリボンに誓う」
マスターは、細身の赤いリボンを握った拳を高く掲げた。
「この子が家を守ったように、家は守るものでなければならない」
隣に立つ青年は、涙を拭うとアメジスト色の瞳を燃やし、勢いよく右拳を突きだした。
「ギルドってのはね、仲間を泣かせる場所でも、弱い奴を食い物にする場所でもない」
続いて他の者たちも、掲げられたリボンを囲むように、拳、剣、角、翼、思い思いのものを突き出していく。
「――命を張る連中が帰ってくる場所なのよ」
ルビー色の瞳の少女も、赤いリボンをまっすぐに見つめながら、ゆっくりと左拳を上げた。
「アンタたち!ついてきなさい!!」
イエス!マスター!!
時は数年前へと遡る――。




