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「現世最強の科学者、異世界では科学の力で最強魔法使いに」  作者: Naoya


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第18話 王都公聴会

王都議事堂。

巨大な円形の議場には、王立評議会の重鎮たちがずらりと並んでいた。

貴族、官僚、王立軍の将校――

俺に敵意を持つ者ばかりだ。


最上段の席には、ヴァルクスの後ろ盾である侯爵が座っていた。

――この場は俺を潰すために用意された処刑場だ。


だが、それでも負けるわけにはいかない。


「レン・カミシロ。」

議長が冷ややかに告げる。

「お前が発動した《錬滅新星(アルケミック・ノヴァ)》は、軍事利用可能な危険術式と判断されている。

今後は国家管理下で研究を行うことを命じる。」


――やはりそう来たか。

ヴァルクスが下段から俺を見上げ、勝ち誇った笑みを浮かべる。


「異論はあるか?」

議長が問う。


俺は深く息を吸い、前に出た。


「異論があります。」

ざわめきが広がる。


「俺の研究は兵器ではない。科学魔法による未来のための技術だ。

その証明として――改良型《錬滅新星(アルケミック・ノヴァ)》の実演をここで行う。」


「実演だと?」

議場がざわつく。


俺は図面を広げ、術式の要点を説明した。

「従来の《錬滅新星(アルケミック・ノヴァ)》は広範囲に放射して爆発する術式だった。

だが、改良型は反応を圧縮し、魔力回路を収束波形に調整することで――極細の魔力レーザーのように放つ。


破壊は広範囲ではなく、一点のみ。

これにより、城壁だけを崩し、周囲は無傷で残すことが可能だ。」


議場がさらにざわつく。

「そんな制御が……」

「本当に可能なのか?」


俺は会場中央に用意された分厚い鉄柱の前に立った。

トウドウが低い声で囁く。

「……本当にやるのか。」


「やる。」

俺は杖を構えた。


「《錬滅新星(アルケミック・ノヴァ)》!」


杖先から、極細の白光が音もなく走る。

次の瞬間、鉄柱の中心に小さな穴が開き――溶け落ちた。

だが、周囲の床も壁も無傷。


議場が静まり返る。

やがて、驚愕とざわめきが広がった。


「一点……だけを……」

「まるで光の槍だ……」


侯爵が口を開いた。

「……見事だ。」

その声には驚きが混じっていた。


「だが、まだ不十分だ。」

侯爵は続けた。

「一週間後、王立魔導軍の前で同じ術を実演せよ。

成功すれば……お前の研究を認めよう。」


――つまり、失敗すれば即刻没収ということだ。


「いいだろう。」

俺は即答した。

「科学で証明してやる。」


公聴会を出ると、トウドウが追いついてきた。

「……あんた、ほんと正気か? 軍の前での実演なんて、失敗すれば終わりだぞ。」


「失敗しない。」

俺は言い切った。

「これが、科学の力だ。」


トウドウは深い溜息をついた。

「……やっぱり危ういな、あんた。」


だがその目には、わずかな期待の光が宿っていた。

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