亀田食堂連続殺人事件
「3番テーブルさんオーダー入りました〜!」
店員の上気な声が店内に響き渡る。それに呼応するかのように他の店員が「喜んで〜」と返す。
聞き慣れたやりとりだが、このやりとりを聞いているだけで落ち着く。
俺は今食堂のフライパンを握っている。
12年間勤務してきた、この店で。
俺は覚悟を決めた。
***
「前日起きた、亀田食堂連続殺人事件ですが犯人は未だ逃走中とのことです。周辺にいる方は速やかに自宅へ避難してください。」
またこのニュースか。最初こそ近場で焦っていたものの、もう1週間もたてばだいぶ落ち着いた。
まあ、こいつのおかげで学校は休みになったし両親は出張から帰って来れず俺は一人の時間を満喫できるわけだが。
「コンビニ、行こっかな。」
家にはもう牛乳しか残っていない。これでは犯人に殺される前に俺が餓死してしまう。
俺は「まあ大丈夫だろう」と安易な考えで玄関を出た。
「青空だー!」
1週間ぶりの外で思わず叫んでしまった。だが外には誰もおらずまるで閉園後の遊園地のように静寂に包まれていた。
俺は急に怖くなり足速にコンビニへと向かった。
コンビニには誰もいなかった。もちろん店員も。「これなら万引きし放題だ!」と思ったが、流石にそれは男としてないだろうと思い代金をレジに置いてコンビニから出た。
早く帰ろうと思い、来た道を全速力で走った。そして半分くらい行ったところだろうか。黒いパーカーを着た男にあった。
まさか、と思い電柱の影に隠れた。パーカー男は俺の発した物音に反応して後ろを振り返った。
「おい、誰だ?」
図太い声が空気を揺らした。
...俺は気絶していた。