第28話 降参するのは早すぎた気がするが、撤回は認められそうにありません
*ぎりぎり間に合いました。が、かなり短めです。ご了承ください。
*表現を修正しました(24/4/7)
陽気な日差しが天窓から降り注ぐ。
個人的に、この学園の一番いいところは、授業がすべて14時には終わることだと思っている。
まあ、学園自体は18時まで開いてるから、自主練する人も多いし、サークル活動にいそしんだり、上級貴族が開催するお茶会で交流したり……みたいなことも、行われているみたいだけど。
「で?」
「はい?」
「どこまで知ってらっしゃるんですか、アンネヘルゼ様」
さて、そんな素敵な放課後、見ての通り私は呼び出しを受けております、ええ。
せっかくスペシャル・ラウンジの、それも、できたてほやほやの火の間の別室に案内したわけだが、ハンナは、あまり興味はないようだ。(ちなみに、このガラス張りのテラスのような空間は、去年の終わりごろ新設された。噂によると、お姉様が首席特権を発動させたとか。)
給仕が下がり、二人きりになったと思えば、すぐこれである。
「えーっと、さっきも申し上げたとおり」
「ああ、白旗あげた、あれですか?」
うぐっ。
「続きは、放課後、とおっしゃったのは、アンネヘルゼ様ですよね?」
どうにか涼しい顔を維持して、お上品な動作でカップを口に運ぶ。
あー、ローズティーは、やっぱり香りがすばらしいわー。にしてもこの空間、すごいなー。まだ4月なのに、こうして花壇に真っ赤な薔薇が並んでるんだもの。管理たいへんそー。
「そういえば、和菓子もお取り寄せしたんですが、お好きですか?」
「え?」
おっと、いけないいけない。また反応しかけた。
なんだか、あの関西弁を喋らないことで、かえって静かな戦闘心?闘争心?が感じられる。
ちなみに、攻略本を調べたところ、攻略者ロナルド・テルマエ―ルが関西弁細目キャラだった。だから、この世界でも関西弁的な方言は存在するようだ。ただし、まあ、「関西弁」とは言わないだろう。テルマエ―ル領近辺の方言といえばいいのかな?よくわからないから、そこには触れないでおく。
「なんですか、また私に、あなたが転生者であるってことを証明しろと?」
いや、えっと、っていうか別に証明とかそういう話ではないのでは……。
目が泳がないよう、ハンナの手もとに視線を向ける。こうすれば、私の自慢の長い銀色のまつげが、瞳の大部分を隠してくれるはず。
「……はぁっ」
びくっ。
……普段ため息をつかれないから、久々すぎて過剰に反応してしまう。
「わかりました。もういいです」
恐る恐るハンナの顔を見る。えっと、それはもう深堀りしないということで?
綺麗にもっていたカップがすっと机に下ろされる。なんだか自然と同じ動作をしてしまう。
おっと、ばっちり目が合ってしまった。
「あなたが転生者でキミサゲのこともそこそこ知ってることを前提に、もう一度言います」
「……」
え、こわいこわい。
「ヒロインの親友アンネヘルゼは、そんなんちゃう。」
「……へ?」
「そんな風に中途半端な仲良しごっこするような子やない」
何を言われているのかよく分からなくて。でも、その茶色の瞳から目がそらせなくて。
「君さ」
その瞳は、今日の朝会ったときの好奇心に溢れた目でも、何かを探るような目でもなく、
「何がしたいん?」
ただただ怒りに燃えていた。
お読みくださりありがとうございます。PV3000突破、嬉しいです。
来週も短くなりそうですが、日曜日更新予定です。




