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第七十七話 お茶会での二人 (殿下サイド)

そして、お茶会当日になった。


さわやかな風が吹き、気持ちのいい日。


セリフィーヌさんは、いつもよりもおしゃれなドレスを着て、わたしのもとにやってきた。


わたしは、いきなり心を奪われてしまった。


なんと美しく、素敵なんだろう。


午後が待ち遠しかった。


しかし、お茶会を楽しむには、午前中の仕事をしっかりこなさなければならない。


わたしは先週、休養の為、政務は休みにしていた。


そのこともあって、わたしはいつも以上に気合いを入れた。


王国の為、という強い意志だ。


セリフィーヌさんも、そんなわたしの為、一生懸命助言を行ってくれている。


しかし……。


セリフィーヌさんの魅力で、時々、わたしの心は沸き立っていた。


なんとかそれを抑えて、仕事をこなしていくのだが、結構つらい。


わたしは、午後のお茶会の為、なんとか我慢するのだった。




午後になった。


待望のお茶会。


わたしはその前に、セリフィーヌさんと庭を散歩していた、


セリフィーヌさんとわたしは、隣どうし。


わたしは、こういうさわやかな空気の中、セリフィーヌさんと手をつないでここを散策したかった。


手をつなぐことができたら、どんなに素敵なことだろう。


手をつなぎたい。セリフィーヌさんの手の柔らかさ、そしてやさしさを感じていきたい。


しかし、その勇気はなかなかでなかった。


この間は、倒れた後のことだったので、勇気を出すことができ、手を握ることができた。


今は散歩という状況。


セリフィーヌさんはすぐ近くにいるし、お願いをすれば手をつなぐことはできそうなのだが……。


景色自体は良く、そこは楽しめた。


しかし、結局手をつなぐことはできず、心から楽しむことはできなかった。


いったいわたしは何をやっているのだろう……。




その後、わたしたちは、執務室の近くにある庭で、優雅に紅茶を飲んでいた。


このお茶会で距離を縮めていきたいと思っていた。


さわやかな空気の中、飲む紅茶はおいしい。そしてお菓子もおいしい。


セリフィーヌさんはわたしととのおしゃべりを楽しんでいるようだった。


これだけでも今日、誘ってよかったと思う。


わたしの方も、セリフィーヌさんとのおしゃべりは楽しい。


しかし、セリフィーヌさんの魅力に、わたしの心は、しだいにコントロールが難しくなってきていた。


美しくて、いい匂い。そして素敵な笑顔。


好きで好きでたまらなくなっていた。


告白したい。


恋人にしたい。恋人どうしになって、婚約したい!


そう強く思うようになってきた。


でも、一方で、セリフィーヌさんの心はそこまで到達していないだろう、とも思う。


到達していてほしいと思う。


到達していれば、告白をOKしてくれて、恋人どうしへの道が開けてくるのだが……。


わたしは、どうするべきか悩んでいた。




夕方になってきた。


結局、セリフィーヌさんとはそれ以上進むことはできていない。


今日はこれ以上、仲を進めるのは無理そうだった。


「セリフィーヌさん、今日はありがとう。お茶会をすることができて、本当によかった。セリフィーヌさんと紅茶を飲み、お菓子を食べて、おしゃべりをするということは、本当に楽しいものだ」


わたしは微笑みながら言ったが、心の中には少し寂しさがあった。


「わたしの方こそ、お招きいただき、ありがとうございます。わたしの方も楽しませていただきました。素敵な時間でした」


「そう言ってもらって、わたしもうれしい。これからも定期的にしていきたいが、来てもらえるかな」


「もちろんです。殿下にお呼びいただけるのであれば、いつでも参りたいと思っています」


「ありがとう。そう言ってもらえるとありがたいし、うれしい」


また次のお茶会で仲を進めていこう。


わたしはそう思った。


しかし、ここで別れるのは寂しい、という気持ちが湧き上がってきた。


わたしはもう一回、彼女を散歩に誘うことにした。


もう少し仲を進めておきたい気持ちがあった。


セリフィーヌさんはOKしてくれるだろうか?


と思っていたが、そこは心配することはなかった、


セリフィーヌさんはOKしてくれて、二人で歩き出す。


「段差に気をつけてね」


とわたしは言った。


しかし、セリフィーヌさんは、その段差につまずいてしまう。


転びそうになった瞬間、セリフィーヌさんの手をわたしはつかんでいた。


「大丈夫?」


とわたしが言うと、


「転ばないですみました。殿下、ありがとうございます。大丈夫です」


とセリフィーヌさんは言った。


その瞬間、セリフィーヌさんの癒しとやさしさがわたしの中に流れ込んでくる。


そして、前世の記憶が奔流のようになって、わたしの中に流れ込んできた。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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