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第六十五話 前世のわたし・婚約の申し込み

そうしてわたしたちは庭を歩いていたのだが、殿下は立ち止まった。


「リナグリッドさんわたしはあなたに話があるんだ」


殿下は意を決したように、真剣な表情になる。


「なんでしょう?」


胸のドキドキが大きくなってくる。



「わ、わたしは」


殿下は一回言葉を切った。


殿下も緊張しているようだ。


やがて、態勢と整えると、


「あなたと婚約したい。そしてゆくゆくは結婚したい」


と恥ずかしがりながら、しかし力強く殿下は言った。


わたしは一瞬、殿下の言った意味がわからなかった。


婚約? 結婚?


そういう言葉は聞こえたのだが、その意味するところがわからなかったのだ。


しかし……。


「あなたのことが好きなんだ。大好きなんだ。愛しているんだ」


その言葉はわたしの中に入ってきた。


殿下は、わたしのことが好きで、婚約し、結婚したいと言っている……。


意味を理解した瞬間、わたしの心は沸騰した。


ああ、殿下。わたしのようなものに、なんと素敵な言葉をかけていただけるのか……。


甘い気持ちになっていく。


「わたしのこの気持ち受け取ってほしい」


その言葉を聞いた時、わたしはすぐにでも承諾をしたかった。


でも……。


自分の体のことを思うと、それはとても難しいことだった。


殿下……。殿下と結婚して、ずっと一緒にいたいのに……。


わたしは、涙を流し始めた。


「こんなわたしにもったいないお言葉、ありがとうございます。うれしいです」


「では受けてくれるね」


「わたし、殿下のことが好きです。大好きです。愛しています。でも、もう体は持ちません。せっかく婚約の話をいただいたのに」


「少し良くなってきているようじゃないか。この調子なら回復していくよ」


「自分のことはよくわかっているつもりです。今の状態は最後の輝きです」


「そんなこと、言わないでくれ。わたしはあなたとこれからずっと一緒に生きていきたいのに」

殿下の目からも涙がこぼれ始めている。


「とにかく、わたしにはあなたしかいないんんだ。わたしと婚約してくれ。お願いする」

頭を下げる殿下。


「殿下、頭をお上げください。わたしはそこまでされるほどのものではありません」


「そんなことはない。あなたほど素敵な人はいないんだ。初めて会った時以来、結婚するならこの人と思い続けてきた。そして、あなたと一緒にいる内に、あなたのことがますます好きになっていった。わたしは、あなたのことが心から好きなんだ。この想い、あなたに届いてほしい」


「殿下……」


殿下は一生懸命わたしへの想いを伝えてくる。


わたしは殿下のことがますます愛しくてたまらなくなった。


「殿下、ごめんなさい。わたし、殿下の御迷惑になると思って、婚約のことはお受けできないと思っていました。でも殿下のそのお心に、深く感動いたしました。こんなわたしでよろしければ、よろしくお願いします」


「受けてくれるんだね。ありがとう。これほどうれしいことはない」


「後わずかの時間しかないかもしれないませんが」


「そう言うことは言わないでくれ。わたしはあなたとこれから一緒に生きたいんだ」


殿下はわたしが生き続けることを願っている。


わたしもできることならそうしたい。


「そう言ってくださると力が出てきます」


「いずれにしても、これからは恋人どうし。ずっと生きていてほしい。ずっとずっとわたしと一緒にいてくれ!」


殿下はそう言うと、わたしを抱きしめた。


「好きだ。あなたとずっとこのままでいたい」


「わたしも、殿下とずっとこうしていたいです。好きです」


そして、唇と唇が近づいていき、重なり合う。


わたしは殿下のもの。幸せいっぱい。


わたしの生命は残りわずかだけど、この生命、殿下に捧げようと思った。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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