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第五十二話 病状を心配するわたしたち

二人にお会いするのは、ここを離れる時、グッドランド公爵家の養女にしていただいた御礼をする為、謁見をして以来。


その時は、少し離れた位置だったので、二人の様子はあまりわからなかった。


しかし、雰囲気は感じ取ることができた。


国王陛下は、ご高齢で威厳がある。さすがだと思う。しかし、やさしい雰囲気も持っている。


王妃殿下は、国王陛下よりもかなり若い。上品でやさしい雰囲気を持っている。


殿下はそういう二人のいいところを受け継いでいるのだと思う。


国王陛下は、今間近で見ると、体が弱っているようで、歩くのも大変そう。


国王陛下が殿下に権限の多くを譲ったのも仕方のないことだと思う。


二人は執事から状況の説明を受けた後、わたしのところに来る。


「セリフィーヌさん、せっかく来てもらったのに申し訳ない。きみのことは、王太子からよく聞いているよ。優秀で、細かい心づかいもできて素敵な女性だと言うことをね」


「わたしも聞いているわ。こんな素敵な女性がわが王室に来てくれればいいと思っているんだけど」


「ありがとうございます」


わたしは頭を下げた。


二人がわたしのことを褒めてくださっている。うれしい。


うれしいんだけど……。


わたしの心の中は、それ以上に殿下への心配する気持ちであふれている。


「わたしがもう少し元気だったら、王太子に無理させることも減ったかもしれない」


「あの子は、優秀で責任感が強く、しかもやさしい。国民の為、体の調子が悪くなっても尽くしたかったのでしょう」


「わたしも国民のことを思って政治をしてきたつもりだが、王太子には全くかなわない。まだ若いのにすごいとしかいいようがない。でもだからといって、体を壊してしまってはなんにもならないんだ」


「今は、あの子が重症でないことを信じるしかありません。そして、元気になることを」


「そうだな。とにかく信じよう。王太子は我々にとって、そして王国にとって大切な人だ。元気になってほしい」


二人を見ていると、その愛情の深さに感動してくる。


お二人が、これほど殿下のことを思っています。


どうか、もと通りの元気な殿下になりますように!

わたしもそう強く願っていた。




それから一時間ほど経った頃。


侍医が殿下の部屋から出てきた。


「それで、王太子の容態は?」


国王陛下が沈痛な面持ちで聞く。


「ご安心ください。重い病気というわけではありません」


侍医がそう言うと、この部屋にいるすべての人がホッとする。


「過労が原因のようです」


「やっぱり過労だったのか……」


国王陛下がつらそうに言う。


「そうです。だいぶ前から疲れがたまっておられましたが、強い精神力と体力で、今までは耐え抜いていました。驚異的だと思います。しかし、この一週間、さらなる忙しさが加わっていまいました。それで耐えきれなくなったのでしょう」


殿下、そこまで苦労されていたのですね。申し訳ない気持ちでいっぱいです。


わたしもつらい気持ちになってくる。


「幸い、殿下は強いので、二日もしくは三日ほど休養を取れば回復すると思います。ただ、何度もこういう状態が続くと、生命にも影響してくるかもしれません。これからは、仕事の量を減らすことを提言したいと思います」


侍医はそう言った。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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