第四十九話 親友とのおしゃべり
その二日後の放課後。
わたしはクラディナさんとわたしの部屋でお茶会をしていた。
クラディナさんはわたしの親友になった。
ほぼ二週間に一回ぐらいの割合で。お茶会をするようになっている。
場所は、クラディナさんの部屋とわたしの部屋で一回ずつの交代。
お茶会を定期的に開くことにより、より一層彼女と親しくなってきていた。
「それで、殿下とはどこまで進んだの?」
クラディナさんは、微笑みながら言う。
殿下のところに行った時の話になっていた。
「どうって……」
「手をつなぐぐらいのことはしたんでしょう? それともキスまでしたの?」
「いや。全然。第一、仕事として行ったんだし……」
「それはもちろんわかっているわよ。セリフィーヌさんは優秀だから、仕事をきちんとこなしているだろうと思っている。でも仕事が終わったら別でしょう? セリフィーヌさんも殿下のこと素敵だと思っているけど、殿下もあなたの魅力にメロメロになっていると思う。そういう二人が、相思相愛になり、手をつなぎあうのは、自然な流れだと思う。キスはちょっとまだ無理かもしれないけど」
わたしは、だんだん恥ずかしい気持ちになってきた。
「相思相愛だなんて……」
「でも殿下のこと、恋し始めているんでしょう?」
「うん。殿下のところに行った後から、殿下のことを想うと胸がドキドキして苦しいの。今まではそこまではなかったのに……」
「殿下も同じ気持ちになっている気がするの」
「殿下も?」
「これだけ才色兼備な人ですもの。そして、殿下のお役に立っているんだから、恋しないわけがない。殿下の方もあなたのことを想うと、胸のドキドキが大きくなって、苦しい思いをしている気がする」
「うーん、どうなんだろう……」
今日の昼食の時も、いつもとほとんど変わらなかった気がする。
「二人の気持ちがここまでくれば、あともう一息だと思う。殿下が告白してくるのも時間の問題じゃないかと思う」
「殿下が告白してくる?」
今のわたしにはまだまだ現実味がない。
「そうよ。もちろん、セリフィーヌさんの方から告白してもいいんだけど」
「それはさすがに難しいっていうか。そこまでの勇気はまだまだない」
「でも、わたしの場合、テオフィル様に、『わたし、テオフィル様のことが好きです。これからずっとテオフィル様と一緒に過ごしていきたいんです』と言って告白したのよ。テオフィル様も素敵な方だけど、告白する勇気がなかったみたいだったんで、わたしから言ったの」
これは今まで聞いていなかった話だ。
「クラディナさんって、今までも芯の強い人だと思っていたけど、本当に勇気があってすごい」
「いやいや、そんなことはない。逆に勇気がなかなかなくて、言おうと思ってから、十回近く、なにも言えないままだったの。言ってもし断られてしまったら、それまでの良好な関係は壊れて、両方が傷ついてしまうと思ったから。でもこのままの関係が続いていくのも、テオフィル様への想いが強くなっていくわたしには耐えられないこと。それで悩んでしまって……」
「それでも言えたのはすごいことだと思う」
「ありがとう」
「テオフィルさんの方はクラディナさんのことどう思っていたんだろう?」
「わたしのこと、ずっと好意は持っていたと言っていた」
「面白い」
「続きが気になる。続きを読みたい」
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