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第四十六話 殿下のお役に立ちたい

「わたしはあなたに内政についての助言をしてもらいたいと思っている」


殿下はそうやさしく言った。


わたしは驚いた。


殿下に救けられてから、内政への助言という形で。殿下のお役に立ちたいと思っていたわたし。その願いが、かないそうになってきた。


しかし……。


まだまだわたしは、この王国のことをよく知らない。


もう少し一般的に集められる情報は集めて、頭の中に入れておきたい。


それからでないと、殿下のご期待に沿えるかどうかはわからないところがある。


もう少し時間をいただきたいというべきだろう。


でも今そう言ってしまうと、もうそういう話をしてくれなくなるかもしれないし……。


わたしが悩んでいると、殿下は続けて話をし出した。


「わたしは、父の国王陛下からかなりの権限を委譲されてきている。やりがいは大いにある。わたしも一生懸命努力しているし、大臣たちも一生懸命努力しているのだが、なかなかうまくいかない。外からは、豊かな王国だと思われているようだが、貧富の差が大きくてそれを改善していかなくてはいけないし、発展の余地は十分ある。わたしは、この王国をもっと豊かにして、みんなが幸せになれる王国にしたいと思っているんだ」


力強い言葉。


殿下は、さらに続ける。


「セリフィーヌさんにはそのお手伝いをしてもらいたい。助言という形で。ラフォンラーヌ公爵家でも公爵付補佐という家の正式な役職について助言をしていたそうだから、この王国でも正式な役職について動いてもらう」


どんどん話が先に進んでいく。


「セリフィーヌさんは、この王国に来てそれほど経っていない。だから、この王国についての知識はまだまだ少ないと思う。そこで、提案があるんだ」


なんだろう? 提案というのは?


「これから休日の度に。わたしのところへ来てくれないか?」


驚くべき提案だった。


わたしは、休日、殿下をお誘いしたいと思っていた。


それを殿下の方から言ってくるなんて……。夢のようだ。


わたしの心は沸騰し始めた。


「で、殿下のところへ、ですか?」


「そう。わたしのところへ来て、この王国についての状況を把握してもらう。そして、わたしが今、王国で問題になっていることを相談する。その時、いろいろ助言をしてもらいたいと思っている。それを政策に生かしていく。時間は休日の午前中の三時間ほどを考えている。休日に来てもらうのは申し訳ないと思っているが、ここしか時間がない。王室の正式な役職に付き、仕事として動いてもらう」


仕事ということなんだ……。


殿下のところへ行ける、と思って、ちょっとロマンティックなことを想像していたのに……。


なかなか殿下との距離が縮まる方向にはいかない。


ちょっと残念な気持ちになる。


「どうだろう? 役職は、王太子付補佐という名称にしようと思っている。わたしに力を貸してほしい」


わたしは気持ちを切り替えた。


いずれにしても、殿下のおそばに行き、お役に立てることができそうなのだ。


それだけでも素敵なことだ。


「もったいないお言葉。わたしでよろしければ、よろしくお願いしたいと思います。殿下の為、一生懸命努力させていただきます」


「ではよろしくお願いしたい」


殿下は微笑みながら言った。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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