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第四十一話 ノーナさんとの対決

わたしは、クラディナさんとお茶会をした後、殿下を休日にお誘いしたいという気持ちが強くなっていった。


しかし、いざお誘いするとなると、その勇気はなかなか出てこない。


クラディナさんに応援されているのに、申し訳ないと思う。


勇気が出てこないという悩みがだんだん深くなってきていた。


いや、まずわたしが殿下を誘っていいものかどうか、というところに、どうしても戻ってしまうところがある。


殿下のような素敵なお方を、わたしは誘える資格が本当にあるのかどうか。


クラディナさんは、ある、と言ってくれている。


ありがたいことではあるが、そこまでの自信がまだない。


殿下とのおしゃべりは毎日楽しい。


ここまで打ち解けているのだから、もう大丈夫だと思っているところはあるんだけど……。


恥ずかしいし、断られた時の打撃も怖い。


決断はなかなかできなかった。




そして、三月中旬になった。


少しずつ春の陽気が、わが王国を包み出しているある日


放課後、わたしは今、誰もいなくなった教室でノーナさんと対峙している。


既に、ノーナさんのグループ以外の二つのグループの人たちは、少なくともあいさつだけは交わすようになっていたし、話も少しではあるができるようになってきた。


今までどんなに無視されていても、一人一人に心やさしくあいさつをしていたのが実を結んできたのかもしれない。


後はノーナさんのグループとあいさつができるようになればいいと思っている。


話もできるようになるともっといいのだが、それはもう一つ先のステップだ。


あせらずに進めばいい。


また、嫌な噂の方もだいぶ沈静化してきた。


まだ殿下に誘われていることに対し、敵意を持っている人は一定の数がいるようだけど、それは仕方がないだろう。


沈静化してきたのは、殿下が周囲の人たちに、わたしのことを素敵な女性だと褒めてくれていることが大きいと思う。ただ、わたしに好意以上のものを持っているとは言っていないようだ。これは仕方がない。それを言わないからこそ、沈静化につながってきたのだと思う。でも残念な気持ちはする。

また、クラディナさんたちが、わたしのことを良く言ってくれている。これも大きいと思う。


殿下やクラディナさんたちには感謝しかない。


そういう状態の中、わたしはノーナさんに呼び出されていた。


今までと違い、取り巻きはいなくて、一人。


「今日は他の人はどうしたんですか?」


わたしが言うと、


「あなたと一対一で話したいの」


とノーナさんは言ってきた。


一対一? ノーナさんはいったい何を考えているのだろう?


「セリフィーヌさん、あなたはすごいわね」


意外なことを言ってきた。


嫌味をまた言われるのではないかと思ってきたのだが、少し様子が違う。


「わたしがみんなに、あなたのことを無視するように言っていたのに、クラスの多くの人たちとあいさつをするようになったしし、話もするようになった、みんな、わたしの言うことをずっと聞くものと思っていたのに……。悔しくてしょうがない」


ノーナさんは口惜しそうに、一回言葉を切る。


「あなたはどうしてそんなに強いの? 普通、無視され続ければ、それが嫌になって無視した側の軍門に降るものでしょう? わたしは、あなたが殿下のお誘いを断り、軍門に降ることをずっと待っていた。軍門に降ることさえしてくれれば、それからはそれなりの待遇をしようと思っていた。それなのに、あなたは一向に降る様子がなかった。どうしてあなたは、わたしたちの無視を耐えきれたの? わたしは信じることができない」


「面白い」


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