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第四十話 わたしはもう間に合わない (フレナリックサイド)

わたしは、イレーナとマドリンを満足させるべく、さらなる贅沢をしようと思っていた。


二人は、対立したまま。


マドリンの方に最近、心は傾いているが、それでもわたしとしては、両方に喜んでもらいたいと思っている。


いや、もともとわたしは、二人がいようといまいと、贅沢好きなのだ。


しかし、さらなる贅沢をするには、一度下げた税を再び重くする必要がある。


父王や大臣に相談しても、反対されるだけだろう。


権限はわたしにあるので、独断で行動すればいい。


もし反乱があったとしても、その時は軍隊で抑え込めばいいだろう。


わたしは、税を重くした。それは、前回の税率をはるかに上回るものだった。


その増収分でわたしは、さらなる贅沢をする。


二人への豪華なプレゼントはもちろん、調度品を豪華にする。


それは始まりにすぎず、王宮内や風光明媚なところに、豪華な建物を建てていきたいと思った。そこで贅沢の限りを尽くして楽しむ。


二人の為ではあるが、それ以上に自分の為だった。


思うだけでわくわくする。


わたしは、すぐに増税分を集めるように命じた。


わたしは、それで領民が苦しもうがなにしょうが、全く気にしていなかった。


領民はわたしの贅沢の為に存在していると思っていた。


しかし、領民は反発を強めた。


それが、九人の女性の両親を中心とした貴族の反発と結びつく可能性があった。


そういう動きがあるという情報が入っても、特にわたしは気にしなかった。


軍隊で抑えつければいい。


そう思っていた。


ところが、反発は次第に大きくなっていく。


これを機に、別の王太子を擁立しようという意見も、九人の女性の両親を中心に出てきているという情報まで入ってくる。


贅沢好きで移り気なフレナリック殿下を王太子にしておくと、国王になった場合、人々を困窮させ、国を傾けてしまう。


そこで別の王太子を擁立し、次期国王になってもらうことで、国の安定を図る。


というのが、その意見のようだ。


父王の子供はわたし一人しかいないので、王室の誰かを擁立するということだろう。


わたしは、それを聞いた時、


人々の困窮というのは口実だ。まだ両親たちは、それぞれの娘と別れたことを恨んでいるのか。いい加減忘れてほしい。


と思った。


わたしの方ではもう決着のついている話だと思っていたからだ。


大臣たちは、わたしに、


「このままでは、領民たちの反乱が発生する可能性があります。まずは税を下げましょう」


と次々に言ってきた。


父王もそう言ってきた。


わたしは、そういう意見には従いたくはなかった。


しかし、領民たちの反乱が発生すれば、王国そのものの危機に発展してしまう。


わたしは涙を飲んで、税をもとに戻すことにした。


これで、領民の反発はなくなり、貴族たちもわたしを後継者として、改めて認めてくれると思ったのだが……。


わたしの威信はこれで傷ついた。


別の王太子を擁立しようという動きは、おさまっていないどころか、大きくなっていく可能性さえある。


わたしは、九人の女性の両親たちの勢力を弱めようと思い、領地の一部を取り上げようと思った。


しかし、これは周囲に反対され、うまくいかない。


このままでは、王太子の位が維持できないかもしれない。


わたしの心は傷つき、安定しなくなった。


イライラすることが多くなり、怒ることが多くなってきた。


また、気分が沈むことも多くなった。


イレーナ、マドリン両方に対しても、心の余裕がなくなっていき、愛することができなくなっていった。


マドリンはそんなわたしに、


「もっと愛してほしい。イレーナさんよりも愛してほしい」

と言ってくる。


イレーナの方は、わたしに怒られて以降、気分は沈みがちだ。嫉妬心は弱まり始めているようだが、その分、わたしに対する愛情も弱まりつつあるようだ。


それはそれで嫌なものだが。


いずれにしても、二人には、わたしの心を癒してほしいのに、そういうことをしようという気は全くないようだ。


マドリンの方に心が傾いていたわたしだったが、その関係も見直さざるをえなくなった。


二人のどちらと一緒にいても、気は休まるどころか、余計に安定しなくなってくる。


最近は、二人とも少しずつ遠ざけ始めていた。


こういう状況になってきて思い出すのはセリフィーヌのこと。


今思うとセリフィーヌは、わたしのことを癒してくれた。


当時のわたしは、それは素敵なことだとは全く思っていなかった。


だからこそ、異母妹のイレーナに心が動いてしまったのだが……。


そして、セリフィーヌは、内政について的確な助言をしてくれた。


もし、セリフィーヌがいれば、こんなことにはなっていなかっただろう。


いや、人気はあがり、名君になっていく存在としてもてはやされたに違いない。


わたしはそういう大切な人を追放してしまった。


今どこで何をしているんだろう。


生きていれば、もう一度婚約をしてもいい気持ちがする。


しかし、もし生きていたとしても、ここまで残酷なことをしたわたしだ。


わたしのもとには戻ってこないだろう。


今さらこういうことを思ってもしょうがないと思うが、思ってしまう。


いずれにしても、もう間に合わない……。


外は、雨が降ってきていた。気温も少し下がってきている。


わたしは、つらい気持ちになっていった。


「面白い」


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